新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、各選手たちは例年とは違った形でオフへ突入することとなった。来季こそV奪回が期待される佐々岡カープ最大の課題とは? カープOBの大野豊氏に来季に向けてのポイントを解説してもらった。
◆土台が築かれつつある投手陣において重要なのは・・・
コロナ禍の影響でシーズンが後ろにずれ込んだことで、今年は秋季キャンプが中止となりました。通常であればキャンプ地に出向き調整を行いますが、カープの主力組はマツダスタジアムで秋季練習、若手選手はフェニックス・リーグなどで調整を行いました。
我々の時代と違い、いまはマツダスタジアム、室内練習場など練習環境は素晴らしいものがあります。過酷なシーズンを戦ってきただけにリフレッシュも重要ですが、ここで気を抜きすぎることなく年明けの合同自主トレ、春季キャンプに向け、高い意識を持って練習に取り組んでほしいですね。
来季に向けて楽しみなのは、やはり投手陣ですね。大瀬良を含め故障開けの選手もいますが、実績組、2020年に出てきた若い投手、そしてドラフト上位の3人など、徐々に土台が築かれつつあるように思います。
そこに未知数とはいえ新外国人選手も加わります。2020年は投手を育てなければならない試練の年でしたが、そこで経験を積んだ若い投手が順調に成長すれば、来季のカープは面白いことになるのではないでしょうか。
今季は蓋を開けてみればリリーフを含め、信頼してマウンドに送り出せるのは限られた投手しかいない、という状況でした。開幕以降も、しばらくはストッパーが固定できず、接戦を落とすという試合も多く見られました。
それが来季の投手スタッフについて想いを巡らせてみると大瀬良、野村、九里、森下、遠藤、フランスア、塹江、ケムナ、島内、そこに加えて新人投手と新外国人投手などの名前が挙がってきます。投手陣の中で良い競争が見られそうという意味では、春季キャンプは注目ですね。
ドラフト1位の栗林をどこで使うのかは分かりませんが、カープの投手陣において重要なのは、まずはリリーフ陣の固定です。先発陣の頭数も大事ですが、まずは後ろです。勝っている試合を極力落とさないためにも、セットアッパー、クローザーの固定が来季に向けての最重要課題となるでしょうね。