2万人が熱狂した2戦連続逆転劇。高みを目指し終盤戦を駆け抜けろ

 そしてこの試合の影の立役者といえば、やはり東俊希でしょう。

 塩谷司がアクシデントでベンチに退いた後、スリーバックに入ったのが東でした。東といえば、ボランチとして出場した昨シーズンの福岡戦も記憶に新しいところではありますが、彼のユーティリティな能力は目を見張るものがあります。この試合でのスリーバック起用も東にとっては急なことだったのではないかと思いますが、1対1も強かったですし、高さもありましたし、高い能力を発揮してくれていました。東がいなければ、この試合は成り立っていなかったと言っても良いくらい、チーム全体を支えてくれた影の立役者だったのではないかと思います。そのような、どのポジションでも適応できる選手が、今の広島には増えてきているという印象があり、これはチームとして一つの武器になっていると思います。

 8月26日の柏戦(△0ー0)も、スコアレスドローにこそなりましたが、GK・大迫敬介のビッグセーブのおかげで無失点に抑えることができました。ハイプレスを交わしてロングボールでつないでいく柏のスタイルは、どちらかというと今シーズンは苦手としていたスタイルです。そんなチームを相手に勝ち点1をつかむことができたというのは、サンフレッチェにとってもプラスに捉えたいところです。

 浦和戦、川崎F戦では、エディオンスタジアム広島に2万人を超えるファン・サポーターが集まりました。

 大観衆のなかでの劇的勝利が続いたので、今のサンフレッチェのサッカーを初めて見たお客さんには、「また見に行きたい!」と感じてくれた方もいたと思います。ここから一つでも上の順位を目指すために、そして、新スタジアム元年となる来シーズンを良い形で迎えるためにも、「サンフレッチェのサッカーはおもしろい」と感じてもらえるような、ワクワクするサッカーを期待したいと思います。