クラブ史上初となる、2シーズン連続のチャンピオンシップ進出を決めた広島ドラゴンフライズ。その中心選手としてチームをけん引するのが、広島皆実高出身のSF・三谷桂司朗だ。大学在学中にプロ契約を結び、シーズン途中の2024年1月にデビュー。チーム4人目の広島出身選手としてブースターの期待を集める22歳の声をお届けする。(全3回/2回目)

CS進出を決めた琉球戦では、チーム2位となる14得点を挙げた三谷。

プロ契約で覚悟や意識が変化。広島出身として恥じないプレーを

ー三谷選手がプロを意識し始めたのは、いつ頃からですか?

「はっきり意識したのは高校2年生の時です。1年生の時から主力として試合に出場させてもらっていて、全国大会も経験しましたが、当時は3年生の先輩方の言う通りに動いて体を張っていただけで、自分から何かクリエイトして貢献していたわけではありませんでした。2年生になり、新チームではいろいろな役割を任されることが増えたのですが、最初はまったくそれに応えることができず自信をなくしかけた時期もありました。それでも負けずに1つずつ課題を克服して、成長を実感できた時に『バスケットボールで生活していけるようになりたい』と強く思いました」

ー筑波大を経て昨2023年12月にプロ契約し、今年1月にはプロデビューも果たしました。特別指定選手の時と比べて出場機会も格段に増えています。これまでと何が違うのでしょうか。

「特別指定選手としての活動は3カ月という短い期間だったので、自分の中で限界を決めていたというか、『試合に出られたら良いな』という気持ちが多少あったと思うんです。でもプロ契約をした以上は、結果で自分の存在価値を証明して生き残っていくしかないので、今までとは違った気持ちで取り組んでいます。そういう覚悟や試合に対する準備の姿勢など、意識的に変わった部分があるのかなと思います」

ーチームでは4人目となる、『広島出身選手』ですが、そこを意識することはありますか?

「広島は生まれ育った故郷であり、バスケットボールだけでなく人間としても成長させていただいた場所なので、広島でプロキャリアをスタートしたいという気持ちはずっとありました。ブースターの方々からは、『おかえり』という温かい声をいただくことが多いのでありがたいですし、その期待に応えたいという気持ちもあります。変に気負うことなく、でも広島出身として恥じないプレーをしたいと心がけています」