◆先入観を捨て、選手の能力を正確に把握
今回(2004年)の秋季キャンプの一つの目的としてあるのが、選手一人一人の本当の能力を把握する事です。そのためにはこれまでの「足が速い・遅い」「肩が強い・弱い」など各選手についての先入観を、一度リセットしなければなりません。
特に走力など選手の能力を計測する上では、機械も駆使しています。一塁から二塁、一塁から三塁、二塁からホームへという3パターンで毎日一人ひとり全ての本数でのタイムを測定していますが、手動計測ではなく機械による自動計測を行っています。より正確な数値を把握することで、首脳陣はもちろん、選手自身も納得できるからです。
どうしてもそれまでのイメージというか主観的なものがあるので、手動で測るとそのイメージにとらわれてしまいがちです。しかし機械で測るとはっきり数字が出るため、今までスピードがあると思われていなかった選手も、実際にスピードがあればその実力を認めてもらうことができるのです。
測った数字は、毎日宿舎に掲示して、順位もはっきり示しています。我々スタッフの予想やイメージと違った結果も実際には出ました。詳しい事は企業秘密ですが、思ったよりもずっと速かった選手も、思ったほど速くはなかった選手も両方いました。
数字は正直ですから、自分がチームの中でどの程度のレベルにあるのか、またライバルはどのぐらいなのかも明白にわかります。いいタイムだった選手は自信に思ってそれをさらに生かす努力をすべきです。またタイムの悪かった選手はそれをバネにして、一層の精進が不可欠です。慢心や落胆といった暇はありません。常に前を向いて進むしかないのです。
ただ実際にはスピードがあるのになぜそういうイメージが持たれない選手がいるかと言うと、彼がせっかく持っているスピードを試合中のプレーで生かし切れていないからなのです。どうすれば持っている能力を最大限に生かせるか。これを知ると知らないとでは、プレーヤーとしての評価は大きく変わってきます。
