大学4年間で一気にドラフト上位指名候補へと成長した大道温貴。今秋のリーグ戦では、独特の軌道を描くスピンの効いたストレートを武器に36回を投げて60三振を奪う快投をみせた。念願叶いプロ野球の世界へと進んだドラ3右腕に、直撃インタビューを行った。

入団会見では三振へのこだわりを覗かせた大道温貴投手。

◆自慢の直球とスライダーで多くの三振を奪う右腕

─指名時の心境を教えてください。

「カープから指名された瞬間は、ホッとした気持ちでした。選んでもらったからには、1年目からしっかり活躍してカープに恩返ししたいです」

─直球の軌道が独特だと聞きました。

「球速も大事ですが、一番意識しているのは打者が感じる体感速度です。直球はスピンを効かせることで、ホップ気味に浮き上がる球を意識しています。変化球ではスライダーとスプリットに自信があります。直球よりも強い腕の振りで投げられるので、プロの世界でもうまく活用していけたらと考えています」

─大道投手が考える投手の魅力を教えてください。

「野球は投手から始まります。そういう意味では、投げる球一つで、球場の雰囲気を変えることができます。それが投手の醍醐味だと思っています」

─目標にしている選手は?

「前田健太さん(現ツインズ)です。カープではエースとして投げ、大リーグでも毎年活躍されているのを見ると、“数字”や“存在感”の部分で、プロ野球選手である以上、目指していかないといけない存在だと思っています」

─大学で成長したと思う点を教えてください。

「全ての面で成長できました。高校3年の頃はドラフト注目の選手に名前すら載らない選手で、当然指名もありませんでした。なので、この時の悔しさを抱えて過ごした4年間でもありました。だからこそ、今回、上位指名候補に自分の名前が載った時はうれしかったですし、八戸学院大で野球をやらせてもらったおかげだと思っています」

─小学生の頃はシンガポールで暮らすなど住環境が変わる事も多かったと伺いました。

「埼玉県川口市出身ですが、そこではあまり長くは暮らしていません。両親の仕事の関係で、どんどん住環境が変わっていくなかで、環境や食生活に関して、不満を感じることは少なくなりました。だからなのか分かりませんが、プライベートでも野球でも考え過ぎたり、深く落ち込むことはほとんどありません。どちらかというと、当たって砕けろタイプ。広島は初めて訪れる場所ですが、いまは楽しみのほうが大きいです」

─背番号は12番に決まりました。

「九里(亜蓮)さんが結果を残されて僕にわたってきた番号なので、活躍してもっと12番に重みをつけていきたいです。じつは、普段やっているスマホの野球ゲームがあるのですが、カープの選手で、ゲーム開始当初から使っていたのが九里さんでした。そういったご縁もあって、番号を提示された時は、喜びと共に驚きもありました(笑)」