規定投球回に到達した上で10勝、防御率1.91をマークした森下暢仁投手。

◆一番うれしかったのは森下暢仁投手の新人王獲得

 個人的にもベストバウトに選んでいただいた試合は印象に残っていますし、数年後に自分のレスラー人生を振り返ったときに思い出す試合であることは間違いないですね。特に入場時、試合終了直後の大「ナイトー」コールが印象に残っていて、あらためて試合は選手だけではなく、お客様あってのものだなということは感じました。

 それはプロ野球も同じだと思いますし、熱心な応援に慣れているプロ野球選手も、昨年はあらためてお客様の大切さを実感したんじゃないですかね。プロレス、野球ともに以前のように大きな声援、応援ができるようになったとき、選手はより以上に張り切ると思うし、力も発揮できると思います。

 プロ野球でも昨年末にさまざまな表彰があって、カープの選手も何人か選ばれていました。一番うれしかったのは、森下暢仁投手の新人王ですね。新人王の受賞条件に5年以内という基準がありますけど、1年目から、それも圧倒的な投票数で受賞したのは素晴らしいと思います。

 ちなみにオレもかつて『プロレス大賞』の新人賞でノミネートはされたんですが、受賞することはできませんでした。いまとなっては絶対に受賞できない賞なので悔しさもありますけど、それを思うとドラフト1位のルーキーできっちりと結果を残した森下投手のすごさがよく分かります。

 菊池涼介選手も8年連続でゴールデン・グラブ賞を受賞しましたね。森下投手のように1年目から結果を残すのはもちろん立派ですが、菊池選手のように何年も連続して結果を残し続けるのも、本当にすごいことだと思います。1年だけ受賞するならたまたまということもあるかもしれないけど、8年連続でクオリティーを維持し続けて、さらに向上もしているということですからね。

 オレも今年でキャリア15年目を迎えて、肉体的にも精神的にも常に向上していくことの難しさを実感しているので、同じアスリートとしてコンディション、技術を向上させ、継続して評価されている菊池選手の姿は励みになります。