コロナ禍で揺れるなか、J1リーグの開幕戦が目前に迫ってきた。ここでは、さらなる飛躍が期待されるサンフレ戦士を編集部目線で紹介していく。

ジャガーとも呼ばれるなど、脚力が武器の浅野琢磨選手(パルチザン)を兄に持つ浅野雄也選手。昨季の5ゴールを上回る活躍が期待される。

 昨季のホーム最終戦(柏戦)では1トップとして起用されるなど、今や攻撃陣の中で欠かせぬピースとなった浅野雄也。昨年末にはU-23日本代表候補トレーニングキャンプにも召集され、五輪世代の中でも頭角を現しつつある。

 持ち味は縦への鋭い推進力と、左足を大きく振り抜いてのシュート力。昨季はシーズン途中からシャドーとして起用され、リーグ戦で5得点(ルヴァン杯でも1点)を奪う活躍を見せた。ただ、シーズン途中のコメントにもあるように、現状では納得の気持ちよりも危機感の方が強いという。

「僕と同じ年齢でチームの中心になっている選手も多いですし、それに比べたら僕なんかチームを引っ張っているという意味ではまだまだなので。まだ若手と言えば若手なんですけど、チームを代表するような『こいつにボールを預ければなんとかしてくれる』という選手にならないとダメですよね。ただ自分自身を信じている部分もあるので、あとはそれを結果で出すだけだと思います」

 浅野本人が言う結果とは当然、得点を奪うことに他ならない。ここ数年のサンフレッチェを語る上で、必ず出てくるのが“決定力不足”というキーワードだ。浅野自身も前線の選手として、相手ゴールのネットを揺らすことを強く意識している。

「得点とアシスト、比重を置いているのは得点です。縦への推進力が持ち味だと思うんですけど、切り込むだけではなく積極的にゴールを狙っていきたいと思っています」

 昨季もリーグ内で3番目に少ない失点数で乗り切るなど、チームとして守備面は高いレベルで維持し続けている。今季は城福浩監督がより攻撃的な戦術を打ち出しているだけに、浅野がスイッチを入れる形で得点数を一気に増やしたいところだ。