18年間の現役生活では先発、中継ぎ、抑えとして長年カープ投手陣を支え、5年間のコーチ時代は若手投手育成に尽力し、今季は一軍投手コーチを担当。カープ一筋23年の野球人生を歩んできた佐々岡真司が一軍監督に就任した。温和な人柄で知られる佐々岡新監督が目指す野球と理想のチーム像とは?就任直後の新指揮官に監督就任までの思い、そして自身の野球観を聞いた。

─監督に就任されて約1カ月が経過しましたが、やはりコーチ時代と普段の感覚は違うものですか?

「基本は変わらないですけど、これまでのように投手の練習だけを見るのではなく、野手の練習も見なければいけません。チーム全体を見るというところが今までと違うところですよね。最初はどこで見るか迷うこともありながら野手を見て、投手を見て、という感じでした。周囲から『監督』と呼ばれることにまだ違和感がありますし、慣れていないから照れ臭い部分もありますよね(苦笑)」


─球団から監督要請を受けて、就任までに迷いはありましたか?

「最初に球団から要請を受けたときは、まず、すごく光栄に思いましたが『自分で良いのか?』という不安もありました。どちらかと言えば気持ちの半分以上は不安な気持ちが大きかったです。要請を受けてからすぐに即答はできないので、家族と相談したいという気持ちを伝えて少しだけ時間をいただきました。そして1日よく考えて翌日には決断しました。僕としては緒方孝市前監督が来季も指揮すると思っていた中での辞任でした。そこから『次の監督は誰だ?』という中でいろんな噂もありましたし、急な展開でしたので決断するまでに不安はありましたよね」