コロナ禍で揺れるなか、J1リーグの開幕戦が目前に迫ってきた。ここでは、さらなる飛躍が期待されるサンフレ戦士を編集部目線で紹介していく。

サンフレッチェの“堅守”を支える荒木隼人選手。

 関西大学を経て2019年にサンフレッチェに加入した荒木隼人は、プロ1年目から3バックの一角(リベロ)に定着。日本代表にも選出されるなど、即戦力の期待に違わぬ活躍を見せている。

 昨季も33試合に出場し、出場時間はチーム1位。佐々木翔、野上結貴らと共に、リーグで3番目に少ない失点数を導き出した守備力に貢献した。新型コロナウイルスの影響で長期の中断を挟んだものの、高いレベルのパフォーマンスをピッチ上で体現し続けた。

「試合があるのとないのとでは、やはりモチベーションの部分で多少の違いが出てきます。ただプロのサッカー選手として試合がないから練習しないというのは違いますし、僕自身が目指すもっと先のことに照準を合わせながら調整を続けていました」

 今季は4チーム降格、2チーム増による試合数増加、東京五輪期間中のリーグ戦中断を受けての過密日程など厳しい条件が目白押しだ。そんななかサンフレッチェは過酷なシーズンを前にして、3バックから4バックへのシステム変更を推し進めている。

 となれば攻撃時に最終ラインが2人になる場面も出てくるだけに、荒木の役割はより大きなものとなる。以下は昨年の3バック時のコメントだが、今季も基本的な考え方が変わることはないだろう。

「アグレッシブな戦術を取る以上、自分がもっとリスクマネジメントしないといけないと思っています。やはり守備のところでは、もっともっと声を出さないといけないと思っていますし、攻撃のところでもビルドアップの部分は意識しています。まだまだ課題は多いと思っています」

 たとえ決定力が向上したとしても、持ち味の堅守が崩れてしまっては本末転倒だ。タイトル獲得に向け、荒木のリスク管理能力がこれまで以上に求められている。