J SPORTSの解説などでお馴染みのOB・笘篠賢治氏が、2021年カープの気になるポイントを解説。今回は高い潜在能力を秘める、2014年のドラフト1位・野間峻祥について語ってもらった。

今キャンプを訪れた解説者陣から高い評価を得ている野間峻祥選手。

◆今年こそレギュラー獲得に最大の好機

 2月20日のヤクルトとの練習試合をフジテレビONEの『SWALLOWS CAMP L!VE 2021』で解説をさせていただきましたが、この日途中出場していたカープの野間峻祥がマルチ安打をマークするなど、非常に良いアピールをしていたように思います。

 佐々岡監督からすれば、“野間がレギュラーとして出てきてくれたら……”という気持ちは間違いなくあるでしょうね。

 というのも、野間の場合守備と走塁は一級品と認められている選手。外野手であっても、やはり守備面で不安がある選手はレギュラーとして起用するのが怖い部分はあるでしょう。

 野間の場合そこをクリアしているぶん、あとはしっかりと打つだけなのです。西川龍馬が手術明けで出遅れているだけに、野間からすればここでセンターのポジションをがっちりとつかんでおかないといけません。基本のキですが、やはり野球はセンターラインが大事ですからね。幸い野間はここまで良いスタートを切ることができているので、このまま調子を維持していってほしいですね。

 入団当初の印象としては、球を呼び込んで逆方向にうまく打つ選手だなと思っていました。ただ、それは大学野球の投手に対して通用していたとしても、プロの投手が投げる直球の場合差し込まれたり、しっかりととらえきれずミスショットになったりしていました。

 野間の場合、足がある選手なので、出塁しないといけないという意識が強くなるのは仕方ないことかもしれません。ただ、それがいろんな悪循環を生んでいるようにも思いました。たとえば、インコースを詰まらせることを避けるがあまり、アウトコースを打つ際に当て逃げのようになってしまったり等々、もったいない打席も決して少なくはない印象です。