サンフレッチェ広島の最大のストロングポイントと言えるのがサイドからの攻撃だ。なかでも左サイドから切れ込む柏好文の攻めは迫力十分。より攻撃的なフォーメーションで臨む今季、柏にかかる期待は例年以上に大きい。

2019年はウイングバックのポジションながら、チームトップとなる8ゴールをマークした柏好文選手。

◆どこでもできるのが自分の強み

——柏選手は2017年途中から、このチームで4バックも経験されています。そのあたりでの強みもあるのではないでしょうか?

 「そうですね。どこでもできるのが自分の強みだと思いますし、それを高いレベルで全てできるというのが持ち味だと思うので。左、右、真ん中、どこでもできるので、与えられたポジションで自分の強みを出すだけですね。実際、2018年だったり優勝争いに食い込んだときは普通に4-4-2の左サイドハーフをやっているので、そこでもやれるというところは見せられたと思っています」

——4バック時代の経験も踏まえ、柏選手の方から若い選手にいろいろとアドバイスをすることもあるのでしょうか?

 「同じポジションの選手で聞いてくる選手もいるので、アドバイスだったりボールの受け方、引き出し方、その選手の特長をより出すための動き出しだったりというのは、できる限り自分の経験の中でアドバイスはしています」

——柏選手から見た4バックの良さは、どのようなところでしょうか?

 「あまり僕、サッカーのこと分からないので、どうなんでしょう(笑)。4バックの良さはサイドバックが攻撃に関わりながら、相手の連携やポジショニングを見て流動的にサイドハーフが中に入ったり、サイドバックが外を取ったりという動きの連携性というところが3枚のときとは大きく変わるので、お互いの良さを引き出すという意味では良いシステムだと思います。流動性、臨機応変なところは、より出てくるシステムなのかなと」

——決定力不足が課題とされる中で、目標とする数字はありますか?

 「数字は12年間、挙げたことがないんです。とは言っても生き残っていくには数字だと思いますし、目に見える結果というのは常にこだわりながらやっています。もちろんその中での質というものは求められてくると思いますけど、一番印象に残るのは得点やアシストだと思うので、具体的な数字は挙げたくないですけど、よりこだわっていきたいと思います。ただ、そこよりも自分はケガなくずっと稼働するというところを毎年、目標に挙げています。毎年、大きなケガもなく12年間やってきているので、フル稼働できるようなシーズンにしたいですね」