いよいよサンフレッチェ広島が2021年J1リーグ開幕戦を迎える。第1節で対峙するのは手倉森誠監督率いるベガルタ仙台。簡単な試合など1試合もないが、昨季の第1節と同様にホームのエディオンスタジアム広島で歓喜を味わいたいところだ。

昨季の開幕戦の様子。サンフレッチェが鹿島相手に3対0と快勝を収めた。

 昨年までの決定力不足を受け、城福浩監督が一次キャンプから勝負を仕掛けてきた。より攻撃陣に枚数を割くために、2018年以来となる4バックを採用。1トップの下に3選手を置くことで、決定力不足解消に乗り出した。

 4チームが降格となることを考えればリスクを最小限に抑えたいところだが、城福監督はあえてリスクを取ることを選択した。「より高みを目指すという心意気を感じます」と柏好文が語るように、守りに入るのではなく攻めの姿勢を貫いた。

 一方で昨季、最下位争いを演じた仙台は、チームのテコ入れとして8季ぶりに手倉森監督を招聘した。2012年には仙台を2位に躍進させた立役者なだけに、サンフレッチェとしても油断は大敵だ。

 降格争いはないとはいえ城福監督の下で戦った3年間は2位、6位、8位と年々、順位を落としている。その要因が前述の決定力不足にあるのは明らかで、昨季も総失点はリーグ3位タイ(37)ながら、総得点は9位(46)と伸び悩んだ。

 果たして4バックを採用することで決定力は向上するのか。それとも前掛かりになることで、持ち味である堅守に綻びが見えるのか。2015年以来の優勝を目指すサンフレッチェの勝負の1年が本日、スタートする。