2018年に千葉に期限付き移籍していた茶島雄介が昨季、サンフレッチェに復帰した。以前はシャドー、ボランチでの起用が続いたが、復帰後は右のウイングバックとしてJ1でのキャリアハイとなる29試合に出場。今季も“万能MF”がピッチ上で躍動する。

昨季は右サイドで存在感を示した茶島雄介選手。

◆昨季、期限付き移籍先の千葉から復帰

——昨年、千葉への期限付き移籍から復帰されました。2年ぶりのサンフレッチェでしたが、手応えはどうでしたか?

 「2年間のレンタルから帰ってきましたけど、正直『どのようにチームに貢献できるのか』というのが分からない部分もあった中での復帰でした。開幕当初はベンチにも入れない時期もありましたし、不安がなかったと言えば嘘になると思います。ただ、次第にチームのやり方にも慣れていって、その中で自分のプレーを出せるようになっていきました。多くの時間プレーできたと思いますし、そういう意味ではしっかりこのチームでプレーできることは証明できたと思います」

——ベンチ外は開幕当初の2試合ですね。気持ち的には焦りもありましたか?

 「そうですね。やはり広島で活躍したいという気持ちで帰ってきたので、現実を突きつけられたときは何のために帰ってきたのかと考えることもありました。ただ、その期間も監督とはしっかりコミュニケーションを取れていたので、自分は自分でしっかりやれることをやっていくだけだと思っていました」

——監督とは、どのようなコミュニケーションを?

 「アドバイスというよりは自分のことをよく見てくれているし、僕自身のプレーに対して『すごく良いものがある』と言ってくれていたので、そこは自信を持って日々、調整を続けることができました」

——ただ、調整期間にリーグ戦が中断になるなど、メンタル面の維持が容易ではなかったと思います。

 「外にもほぼ出ずに練習も家の周りを走ったり、家の中でできることをやったりという感じでした。いつ再開するのかが分からない状態だったので、気持ち的にも難しい部分はありました。それに『この日からスタートします』というところから、実際その日になってみると『再度延期します』みたいなことが続いていたので、余計に気持ちの持って行き方が難しかったですね」

——リーグ戦が再開してから、徐々に試合出場数も増えキャリアハイの数字も残しました。右のワイドとしてハマってきたなという感触はありましたか?

 「ベンチ外だったり途中出場する前の外から見ている時に『自分が入ったときにはこうしたい』、『自分ならこういう風に貢献できる』ということを考えながら見ていたんです。それをある程度、プレー中に出すことができたことで、出場数が増えていった気がしますね」

——「こうしたい」という部分を、少し具体的に聞かせてもらえますか?

 「一つはポジショニングのところです。右のワイドの立ち位置で3バックのシステムでやると、基本的に4バックの相手とやることが多くて、システム的にミスマッチを起こせる場面が多かったんです。ミラーゲームにはないようなミスマッチが起きるのは自分の右ワイドの部分が多くて、そこがカギになると思っていました。誰にもつかまれないようなポジションを取って自分のサイドで試合を優位に進めていければと思っていたので、そのポジショニングという部分は常に意識しながらプレーしていました」