4年ぶりにカープに復帰した熱血コーチ。今回は同学年の佐々岡監督を支えるヘッドコーチとして戻ってきた。強いカープの復活に向けて、河田雄祐ヘッドコーチが描いている“新生カープ”の青写真とは。その熱き想いに迫った。

 

◆選手の表情が変わったと聞き、少しだけホッとしました

─4年ぶりにカープに復帰されました。久しぶりに身に纏われたカープの真っ赤なユニホームはいかがですか?

「3年間、紺色のユニホームを着ていたので、最初は少しだけ違和感を感じました。今回は、ヘッドコーチの任務をいただいたので身が引き締まる思いはありますね」

─2016年に一軍外野守備・走塁コーチとして帰ってこられた時とは違ったお気持ちですか?

「そうですね。前回はBクラスが続いていて、今回も2年連続でBクラスです。チーム状況的には似ているかもしれませんが、黒田(博樹)、新井(貴浩)、石原(慶幸)が抜けて、野手陣も投手陣も若返っているので、新鮮な気持ちで臨んでいます」

─ここまでの一軍沖縄キャンプ。チームの雰囲気はどう感じていますか?

「順調にきていますし、雰囲気も非常に良いと思います。『選手が良い顔をしていますよ』と言ってくれる方もいたので安心しましたね。やっぱり外から見た客観的な意見って大事ですから。雰囲気を変えたいと思っていたので、選手の表情が良くなったと聞き、ホッとした面はあります」

─ヘッドコーチとして、どういうテーマを持って、このキャンプを過ごしていきたいとお考えですか?

「3年間、ヤクルトのコーチとしてカープと戦いましたが、正直、もう少しできることがあるんじゃないかという気持ちで見ていました。攻撃、守備、走塁全てにおいて、何かを仕掛けてくる雰囲気が年々減っているように感じていました。なので、まずは第一段階として、カープは何かをやってくるという無言のプレッシャーを相手チームに与えられるようにしていきたいと思っています。機動力野球を展開するうえで大事な走塁に関しては、キャンプで帰塁やスチールの練習をやっていますが、塁間を真っ直ぐ走るとか素早く帰塁するというのはプロの野手としてできて当たり前のことだと思うので、そのへんの基本的な動きはしっかりできるようになろうと選手に伝えています」

 

─守備や走塁を含めて、もう一度、イチから鍛え直すということですか?

「やっぱり攻める気持ちが大事だと思うんです。たとえば守備でいうと、無難にいくのではなくて、この打球を捕るんだ、この打者をアウトにするんだという攻める姿勢がもっと選手から出てくれば、チームの雰囲気も変わってくると思います」

─気持ちを前面に出すためには、選手のモチベーションも大切になってくると思います。ヘッドコーチという立場で、選手とのコミュニケーションは、どういったところを意識されていますか?  

「これはスポーツ界だけでなく、世の中の常だと思うのですが、立場が上の人、年齢が上の人が話しかけていかないと、下のほうからはなかなか口を開きづらいと思うんです。選手からヘッドコーチに積極的に話しかけろというのも難しい話なので、こちらから話しかけていかないと、コミュニケーションは成り立たないと思っています。監督が言わないようなことも、僕から選手に話しかけて、行動を促していかないといけないと思いますし、そういったこともヘッドコーチの役割の一つだと思います」

─各コーチとのコミュニケーションにおいてはどうでしょうか?  

「何かある度にその場その場で僕が口を挟んでいては、コーチと選手が良いコミュニケーションをとれないと思うので、最初にこちらの思いを伝えて、あとはそれぞれのコーチに任すという形をとりたいですね」

─お話を聞いていると、2016年に取材させてもらった時と同じ感覚を覚えたのですが、コミュニケーションに対する基本的なスタンスは、これまでと変わらないように感じますがいかがでしょうか?

「そうですね。そこに関してはまったく変わりません」