4月2日、首位・鹿島をホームに迎え撃った一戦で、期待の新戦力に移籍後初ゴールが生まれた。加入会見で「ギラギラしていきたい」と語った通り、ピッチ上では常にボールを呼び、ゴールへ向かう姿勢を示し続けている。前線の起爆剤として注目の集まる前田直輝が、移籍後ホームデビュー戦、そして苦しんだ4月を振り返った(全3回/第2回)
◆良い緊張感と、良いリラックスで入れたホームデビュー戦
—広島での試合についてお伺いします。加入後、エディオンピースウイング広島で初めてプレーされた鹿島戦(4月2日、◯1−0)では、移籍後初スタメン、そして初ゴールをマークしました。どのような思いで試合に入りましたか。
「意外とリラックスしていました。 『今日がホームデビュー戦だ』と気負うこともなく、良い緊張感と良いリラックスで試合に入れたという印象がありました。『ここで自分の力を見せたい』という、すごく良い精神状態で試合に入れたと思います。ここ数年、移籍加入した選手たちがホームデビュー戦でゴールを決めることが多いという話は聞いていました。ただ、そこをあまり意識しすぎることもありませんでしたし、非常にフラットな状態で試合に入れたからこそ、あのゴールが生まれたのではないかと思います」
—4月20日のアウェイ名古屋戦(●2−1)で負傷し、一時離脱を余儀なくされました。加入直後のケガということもありましたが、どのような思いで離脱期間に入りましたか。
「これは僕の個人的な思いになってしまうのですが、名古屋戦とその次節の浦和戦(4月25日、●0−1)は、古巣との2連戦だったんです。豊田スタジアムは僕のなかでは非常に印象が良い、馴染みのあるスタジアムですし、埼玉スタジアムにアウェイとして乗り込んで、『俺も成長しているんだぞ』という姿を見せたいと思って楽しみにしていました。その矢先のケガだったので、それが叶わないとなった瞬間は、本当に悔しかったです」
—4月29日の新潟戦で復帰されましたが、以降、チームは連勝もあり非常に良い状態が続いていました。一方で4月には大きく連敗した期間もありましたが、連敗中と連勝中で、チーム内に何か変化はありましたか。
「負けている時も、チームには監督を含め非常にポジティブな声かけが多かったですし、『一つ何かが変われば絶対に波に乗れるはずだ』と自分たちでもわかっていたので、勝てない試合が続いていたからといって何かやり方を変えることはありませんでした。ネガティブな発言も全くありませんでしたしね。僕としてはそんなところにも強いチームのスタイルというか、信念のようなものを感じていました。結果的に5月3日の福岡戦(◯2−1)から5連勝することができましたが、『勝つことで波に乗れれば、自分たちはこれだけのパフォーマンスができるんだ』ということを証明できたと思います」
(第3回へ続く)