昨年、新人王を獲得したカープ・森下暢仁が、3月7日のヤクルトとのオープン戦(マツダスタジアム)に登板。4回を無失点に抑える内容で、飛躍の2年目に向けて、順調な仕上がりをアピールした。

春季キャンプを順調に過ごした森下暢仁投手。今季のさらなる飛躍に期待がかかる。

 今季初めてのマツダスタジアムのマウンド。先頭の塩見泰隆を3球三振で打ち取ると、初回を三者凡退。2回以降も安定したピッチングを披露し、ヤクルト打線に付け入る隙を与えなかった。3回に味方のエラーでランナーを許すも、軽快なフィールディングで併殺打に打ち取ると、4回をノーヒットピッチング。51球を投げて3つの三振を奪う、ほぼ完璧な内容でオープン戦初登板を終えた。

 2020年シーズンオフに行った本誌インタビューで、森下はこう話していた。

 「ケガなく1年間プレーするためには、どんなことをしなければならないか、勝つためには何を考えなければならないのかを考えさせられた(2020年の)シーズンでした。また、先発を任される以上、しっかりと準備しなければ勝てないということも分かりました。振り返ると、あっという間に終わったという感じ。一日一日を必死にやったなという1年間でした」(広島アスリートマガジン2020年12月号)

 カープでは10人目となる『セ・リーグ最優秀新人賞』を受賞した昨年、圧巻だったのはシーズン後半の成績だ。5試合に先発した10月・11月は完投勝利を含む4勝(0敗)を挙げ、37イニングを投げて防御率は0.24。自責点はわずかに1と驚異的な成績を残し、10月・11月度の『月間MVP』を受賞した。

 昨年のシーズン後半の森下を彷彿とさせるこの日のピッチング。安定感溢れるピッチングは、今季も健在のようだ。

 エースナンバーである背番号18を受け継いだ森下が、2年目のジンクスを吹き飛ばし、先発ローテの真の柱となれるか。今シーズンの飛躍に期待したい。