カープが大好きな役者・我善導がナビゲーターを務めるカープTシャツコレクション。カープファンの心を魅了し続けるTシャツを、芸能生活20年目を迎えた我善導が語り尽くす。懐かしのTシャツから最新Tシャツまで、たくさんのTシャツがありますが、どれが紹介されるかはナビゲーターの気分次第。果たして、あなたのお気に入りの1枚は取り上げられるのか!?カープTシャツの魅力を新たな視点で切り取った連載。さぁ3回目の幕開けです!

◆カープTシャツコレクション〜今週の1枚〜◆

 こんにちは!カープTシャツコレクター役者の我善導です!みなさん花粉症は大丈夫でしょうか。僕も辛いですが、花粉が飛ぶということは、春が近づいている証拠。いよいよ野球が始まるぞと思うと少しはラクになってきます。

 今回のコラムのテーマは「きっかけ」。ものごとの始まりには、すべて「きっかけ」があると思うのです。

 カープの監督・佐々岡真司さんは、5歳の頃、母親にバットとボールを買ってもらったことがきっかけで野球を始めたと聞いたことがありますし、メジャーリーガー・ダルビッシュ有さんは、初めてみた野球の試合がサヨナラゲームで、喜ぶ選手たちが楽しそうだと思ったことがきっかけだそうです。

 わたくし我善導が役者を目指したきっかけは小学6年の学芸会。このとき初めて大人に褒められて、役者の道を志すようになりました。

 さて本題に戻ります。僕がカープTシャツを集めはじめた「きっかけ」、すべてはこの1枚のTシャツから始まりました。

 

◆今週の1枚~通算3枚目~◆
【新井貴浩二千本への道 残り24本】
2016年3月29日 中日戦(ナゴヤドーム)

 2016年3月25日DeNAとの開幕戦。二千本安打まで残り27本と迫っていた新井貴浩選手は2本のヒットを打ち、その翌日に「新井貴浩二千本への道」Tシャツの販売が発表されました。

 二千本安打まで残り25本の時点からカウントダウンを行い、記録達成まで、その本数の背番号をつける選手と新井さんがコラボしていくという限定Tシャツ企画です。実際、この企画の反響もあり、新井さんの二千本安打へのカウントダウンは日に日に盛り上がっていきましたよね。

 この2016年から、新井さんは慣れ親しんだ25番をつけており、「残り25本」の限定Tシャツは何としてでも欲しい!と思いました。

 そして迎えた限定Tシャツの発売当日。スマホを握りしめて発売開始時間まで待機。時間になるとすぐさまカープのグッズショップへアクセス・・・したのですが、アクセスが多くてまったくつながらない。やっと商品ページにたどりついた時には、すでに売り切れで残念ながら買うことはできませんでした。この時の悔しさったら・・。

 ただこれで諦める我善導ではありません。次こそはと気持ちを切り替え、運命の日を迎えます。

 2016年3月29日の中日戦(ナゴヤドーム)。この日、新井さんは中日先発の若松駿太投手から二塁打のヒットを打ち、二千本安打へのカウンドダウンは「あと24本」へ。この瞬間、限定Tシャツの発売も決まりました。

 今度こそは入手したいと思ったのですが、ここで新たな問題が発生することに。Tシャツが発売開始する2016年3月30日12時は、舞台の稽古が始まる時間だったのです。“これは困った。でも争奪戦にはなんとしても参戦したい”と考えに考え抜いた末に僕が取った行動は・・。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁ。腹痛い。イタタタタタ。ちょっとトイレ行ってきます」

 迫真⁉︎の演技を11時57分頃にぶちかまし、トイレにこもり、争奪戦に参戦するという、割と安易な作戦に出ました(笑)。役者としては最低なことをしていますが、どうしても欲しかったので仕方ありません(時効ということでお許しください)。

 そして必死にスマホと格闘し、僕の迫真の演技が神様に伝わったのか無事にゲットすることができました。トイレの中でガッツポーズをして、喜びを噛み締めたことはいまでも鮮明に覚えてます。(ちなみに稽古は始まっていませんでした。助かった(笑))

 

 そしてこのTシャツには『横山、1976本じゃ!』と文字が入っていて、その下に電話をしている新井さん。そして左下にはその電話を受けている、当時の背番号24・横山弘樹投手がデザインされています。

 実はこの日の試合は、横山投手のプロ初勝利の日でもあり、横山投手の初勝利記念のTシャツには、横山投手が新井さんに電話をかけているというデザインで、スタッフさんの遊び心も見れて楽しいです。そのTシャツもまたどこかで紹介しますね!

 余談ですが、自動車免許の更新時に、この『新井貴浩二千本安打への道 あと24本』を着ていったことがあります。『横山、1976本じゃ!』の部分がギリギリ顔写真に映っていて、免許センターの方から「カープファンなの?」と言われながら新しい免許を渡されたことも、この限定Tシャツの思い出です。

 僕にとっては、カープTシャツを集めるきっかけになり、そして、広島アスリートマガジンでコラムを連載させてもらえるきっかけとなった一枚。それだけに、今回紹介したTシャツは忘れられない一枚です。

 さぁオープン戦が始まり、開幕まで2週間ちょっと。いよいよ待ちに待った時間がはじまりますね。次回はそんな「待ち遠しい」がテーマのTシャツをご紹介したいと思います!

それでは、また来週お会いしましょう!さようならー!

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我善導(われ・ぜんどう)
愛知県出身。2005年WAHAHA本舗に所属。役者として小劇場から商業演劇、ミュージカル、ドラマ、CM等ジャンルを問わずに活動中。【主な出演作品】舞台:「ドラゴンクエストライブスペクタクルツアー(トルネコ役)」、「ゾロ・ザ・ミュージカル」、「ロマンシング・サガ」他多数。ドラマ:「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう(レギュラー)」、NHK朝の連続テレビ小説「まれ」、「半分青い」他多数【今後の出演情報】2021年3月、手塚治虫原作舞台「陽だまりの樹」(東京、大阪公演出演予定)

[我善導公式Twitter] @warezendou