◆広島の顔が7番の後継者に

 その森保が2001年限りでサンフレッチェを退団した後、2002年に7番の後継者となったのがMF森﨑浩司。プロ1年目の22番、2年目の15番に続き、3年目でクラブを代表する番号の一つを受け継いだ。

 のちに本人が語っていたが、実は当時、10番が欲しいと思っていたという。それでも7番を託されたときのことを「重荷よりも光栄に感じた」と振り返っているが、その2002年、サンフレッチェはJ2に降格。10番をつけていた久保竜彦が横浜F・マリノスに移籍したため、翌2003年に向けて強化部から10番への変更を打診されている。

 だが「もう7番へのこだわりがあったので、そのままでいいと答えた」そうだ。このとき10番にしていたら、8番の和幸と7番の浩司による森﨑ツインズの物語は、少し違うものになっていたかもしれない。

 15年間にわたって7番を背負い、和幸同様にファン・サポーターに愛された。2016年、現役引退を表明して迎えたホームでのラストゲームでは、自らゴールを決めて花道を飾っている。万雷の拍手に送られて途中交代でピッチに別れを告げた浩司を、ベンチ前で出迎えて抱きしめたのは、森保監督だった。