◆成長するきっかけを与えてくれたエースの助言
カープの担当スカウトが「上位で指名されると思っていたので、4位で指名できるとは思っていなかった」と驚くほど、同年代の高校生投手の中でも屈指の実力を持っていると評価も高い本格派高卒右腕・小林樹斗。
初めて参加した春季キャンプは順調にメニューをこなし、充実した日々を送った。
「今までテレビで見ていた方々と一緒に練習し、初めて経験することも多いですが、毎日学ぶことが多くて充実しています。また、大瀬良(大地)さんや一軍で活躍される投手のピッチングやキャッチボールを見てレベルの高さを感じたので、早くそのレベルにいきたいと思っています」
特にエース・大瀬良大地の存在は大きかったという。背番号14のマウンド姿、投じる球、そのすべてが、ルーキーの小林にとって大きな刺激となり、大瀬良からの数々のアドバイスは、小林の財産となっていった。
「(大瀬良さんは)話を聞きに行けば、いろいろと教えてくださるので本当にありがたいです。いただくアドバイスは、プラスになることばかりなので、そういう面も含めて充実した毎日を送らせてもらいました」
ブルペンでは連日、キャッチャーミットに突き刺さるような速球を披露。150kmを超えるストレートを軸に、6種類の変化球を操る小林の評価は日に日に高まった。
「球速が思ったより出ていたのは良かったです。ただ、試合で投げてみないと、プロの打者が自分のボールにどう反応してくるのか分かりません。対戦したときのことをイメージしながらブルペンで投げている段階なので、まだまだこれからだと思います。全体的に未熟な部分が多いですし、実戦のなかで、どう結果を出していくかも重要なので、これからは、結果にこだわってやっていきたいと思います」
課題を口にするものの、キャンプをケガなく完走し、順調にプロの階段を上がっているのはたしかだ。次のステップは二軍戦での登板。そこで結果を残し続ければ、自ずと一軍マウンドが見えてくる。