2021年のプロ野球ペナントレースが開幕した。佐々岡体制2年目となるカープは、今季こそ王座を奪還できるのか!?  OB笘篠賢治氏が若鯉、新助っ人の開幕までのプレーを振り返りつつ、今季のカープ野手陣への期待を口にする。

昨季は4試合ながら一軍の試合に出場。プロ初安打もマークした林晃汰選手。

 いよいよ2021年シーズンのプロ野球が開幕しました。春季キャンプ、オープン戦では各世代の野手陣、中でも若手選手たちが自分たちの持ち味をしっかりとアピールしながらプレーしていました。若手選手たちの台頭を見て感じたことは、徐々に積み上がってきた選手層の厚さです。

 キャンプの時期は当然レギュラー組の仕上がりという部分に注目が集まりますが、長いシーズンを戦うことを考えれば、レギュラー陣をどこかで休ませることを考えなければなりません。やはりそういうタイミングでもしっかりと白星を拾えるか否かが、最終的な順位に大いに関係してくると思っています。そういう意味でカープはここ数年の課題であった戦力の底上げを行い、良い形で開幕を迎えることができたのではないでしょうか。

 ただ、若手選手にとってここから大事になってくるのは、内容はもちろんですが結果を残すということです。たとえばオープン戦途中で髙橋大樹が一軍に昇格してきましたが、右の長距離砲という部分で言えば、正隨優弥と重なる部分が多い選手です。限られた一軍枠においては、同じタイプの選手を同時に一軍には置きづらいものです。その競争を勝ち抜くためには、とにかく目に見える形での“結果”を出すことが求められてくるでしょう。

 ただ、これは打撃に関する話であり、守備、走塁に関してはとにかくイージーなミスだけはしないように注意が必要です。今一軍の枠を争っている若手選手は、試合終盤に出番がくるケースがほとんどだと思います。実戦でアピールできる貴重な機会ということで緊張してしまう部分もあると思いますが、久々の出場でミスをしてしまうと非常に印象が悪いものです。勝負どころの試合終盤ということで、チームの勝敗に直結する可能性も非常に高いですしね。

 そういう意味で控え組は練習からしっかりとアピールしていくことが大切です。もちろんミスをしないことが一番なのですが、万が一ミスをしてしまっても「あいつが失敗したならしょうがない」「あいつが捕れなかったならしょうがない」と周囲が思うだけの練習を普段からしっかりしているかどうかが大事なのです。もちろん結果を出して選手は認められるものですが、チーム内においては練習に対する意識一つで自分の立ち位置は少しずつ変化していくものだと思っています。