投手としては実質4年目ながら、カープのドラフト5位ルーキーである行木俊が春先からアピールを続けている。独立リーグ時代は右肩痛で出遅れたが、昨季のみで球速が大幅にアップ。わずか10試合の登板で、夢であったプロ入りの切符をつかんでみせた。カープスカウトの心を一瞬で射止めた、未完の大器の声をお届けする。

春季キャンプではブルペンでの投球も含め、精力的に練習に取り組んだ行木俊投手。

◆1年目は体力強化に特化

—初めての自主トレと春季キャンプを終えての、率直な感想をお聞かせください。

「プロ野球選手になったという実感がなかったんですけど、ようやくプロに入ったという実感がわきました。初めてのプロのキャンプということで、ケガなく終われたことは良かったと思います」

—気疲れもあったと思いますし、体力的に大変だったのではないですか?

「そうですね。初めての経験だったので疲れはありました。最初は大瀬良さんも二軍でスタートされましたし、先輩方に囲まれる中で気を使うところもありましたけど、なんとか乗り切りました」

—先輩投手に何かアドバイスを求めたりはしたのですか?

「自分から聞くことはなかったのですが、見て学ぶことができたので、そこは良かったと思います」

—一軍クラスの投手の生きた球を見て、やはり勉強になる部分が多かったですか?

「間近ではあまり見ることができなかったんですけど、コントロールがすごかったです。またブルペンではあるんですが、マウンド裁きとかそういうところも本当に一流だと感じましたし、プロの一軍で投げられている投手だなと思いました」