右肘の手術を乗り越え、大瀬良大地が昨年8月22日以来となる勝ち星を手に入れた。術後ということで多少の出遅れも予想されたが、春季キャンプ中に一軍に合流すると、オープン戦では圧巻の投球を披露。今季から投手キャプテンにも就任した“エース”の、今季に懸ける思いに迫る。

4月2日のDeNA戦で今季初勝利を収めた大瀬良大地投手。7回を3安打無四球無失点でまとめてみせた。

◆投手キャプテンとして良い手本となれるように

─昨季はエースとして期待されながら、シーズン途中で無念の離脱となりました。大瀬良投手にとってどんな一年でしたか?

 「開幕が遅れるなど、今まで経験したことがない状況のなかで野球と向き合うことになり、選手として調整面などで難しい部分はあったのですが、沢山のみなさんのおかげでペナントレースを戦うことができたことにまずは感謝したいと思います。個人としては、体の状態が上向かないなかで、なんとかやりくりしようと取り組んでいましたが、結果的にはシーズン途中で離脱することになりました。それだけに悔しさの残る一年でした」

─9月5日の試合を最後に登録抹消され、その後右肘の手術となりました。チームはBクラスに終わり、どんな思いでリハビリ期間を過ごしておられましたか?

 「離脱してからチームの勝利が伸びていない状況を見ると、申し訳なさと悔しさがありました。でも、その時の自分の体の状態だと一軍の戦力になれないのは分かっていたので、とにかくもどかしかったです。ただ、シーズン終盤は、若い選手が頑張っている姿を見せてくれていたので、それはチームにとって大きかったと思いますし、僕にとっても良い刺激となりました」

─リハビリ中にチームメートと連絡をとることはあったのでしょうか?

 「一軍にいた若い選手のなかには、一軍経験の少ない選手も多かったので、そういう選手たちには、LINEで気づいたことを伝えたりして連絡をとっていました」