◆頭になかった3月26日の登板

─春季キャンプ最終日の3月1日に佐々岡監督から開幕投手に指名されました。九里亜蓮投手や森下暢仁投手との開幕投手争いが注目されるなか、開幕投手に選ばれたときの心境を教えてください。

 「今だから言えますが、昨季途中に離脱した時点で、僕の頭の中に、今年の3月26日の開幕マウンドに立つイメージはまったくありませんでした。とにかく早くケガを治して、シーズンが始まるまでに、なんとか先発ローテーションに入りたいという思いだけでした。ただ、リハビリが順調に進み、キャンプ中に一軍に呼んでもらえたことで、開幕投手争いに加わることができるかもしれないという手応えはありました。選んでいただけたのは大変光栄ですし、チームとしていいスタートが切れるように責任を全うしたいと思います」

──大瀬良投手と森下投手を見ていると、かつての前田健太投手(現ツインズ)と大瀬良投手の関係を思い出すことがあります。森下投手の存在はどう感じていますか?

 「一つひとつの球が素晴らしいですし勝負球として使える球もある、実戦に強い投手だと思います。1年目からあれだけの成績を残した投手は、過去のルーキーを見渡してもなかなかいないでしょうから、素晴らしい投手だと思っています」

─復活を期すシーズンとなります。今季にかける意気込みを改めて教えてください。

 「まずは今年1年間、ケガをせず、先頭に立ってチームを引っ張っていきたいと思います。また、投手キャプテンにも選んでいただいたので、野手キャプテンの(鈴木)誠也と選手会長の(田中)広輔さん、そして頼もしい先輩たちと一緒に、しっかりコミュニケーションをとって、これまで以上のチームをつくっていきたいと思います」

─今季のペナントレースは、人数制限はあるものの、開幕戦からお客さんが入っての開催となっています。ファンのみなさんに向けてメッセージをお願いします。

 「3年ぶりのリーグ優勝と日本一を目指して、ファンのみなさんと一緒に戦っていきたいと思いますし、少しずつですが、ファンの方々が球場に足を運べる状況になっていることに感謝したいです。贅沢な思いかもしれませんが、最終的には、もう一度、満員のスタジアム、カープファンのみなさんで埋まった赤一色の球場で投げたいです。その日が戻ってきたら幸せですし、いつか来るその日を目標に、良い試合をファンの方々に届けていきたいと思います」