右肘の手術を乗り越え、大瀬良大地が昨年8月22日以来となる勝ち星を手に入れた。術後ということで多少の出遅れも予想されたが、春季キャンプ中に一軍に合流すると、オープン戦では圧巻の投球を披露。今季から投手キャプテンにも就任した“エース”の、今季に懸ける思いに迫る。

3年連続で開幕のマウンドを託された大瀬良大地投手。逆転負けを喫したとはいえ、随所でエースらしい投球を見せた。

◆柔軟性を生かし強く速い球を

─手術明けのシーズンとなります。今季に向け、自主トレから意識して取り組まれたことを教えてください。

 「今年は30歳になりますし、20代の頃と比べて体の変化も感じていたので、このオフは筋肉量を維持しながら体重を5キロ近く落としました。またこれまでは、筋力をつけて、力で強く速い球を投げようと取り組んできましたが、昨年の手術をきっかけに、柔軟性を生かし体をうまく使うことで、そういった球を投げられるようにと考えるようになりました」

─春季キャンプは二軍からスタートしました。キャンプで取り組まれたことを教えてください。

 「新たに取り組んだことは特にありません。とにかく右肘と体の状態を最優先に考えていました。体が万全の状態であれば、これまで以上の球を投げられるという感触があったので、ペナントレースに向けて体の状態を上げていくことだけを考えて過ごしました」

─2月中旬に一軍に合流すると、2月28日の日本ハムとの練習試合で3回無失点でした。手術明けの初めての実戦マウンド、どういう課題を持ってマウンドに上がり、どんな手応えを感じましたか?

 「練習試合の前にシート打撃で投げていましたが、試合となると、体にかかる負担も練習とは違うので、まずは無事に任されたマウンドを投げることができたことに安堵しました。やっぱり肘の状態が一番心配でしたから。久しぶりの実戦で不安な面もありましたが、無失点に抑えることができ、自分が思った通りに球を操ることができたのは良かったと思います」