ルーキーイヤーから一軍で58試合に出場し、打率.213、4本塁打、16打点を記録した小園海斗。だが、さらなる活躍が期待された2年目は、一軍での出場がわずか3試合にとどまってしまった。

昨季後半から好調をキープしている小園海斗選手。二軍ながら4月7日の時点で長打率もリーグ1位だ。

 2年目シーズンは二軍でも苦しんだ。ウエスタン・リーグでコンスタントに試合出場を続けたものの、開幕から2カ月あまりは打率1割台も経験するなど同期の後塵を拝す形となっていた。

「1年目の昨季は一軍で試合に出させてもらっていましたが、今季あまり結果を出せずに二軍にいることで改めて、まだまだ自分自身の実力がないと痛感しました。ただ、これが現実だと思います。今はとにかくここから成長して、また一軍で活躍するんだという強い思いを持って日々プレーしています」(『広島アスリートマガジン』2020年10月号)

 ところが自身の力不足を受け入れ日々の練習に没頭することで、徐々に光が見え始めた。昨年9月4日に初の猛打賞をマークすると、最終的にはリーグ2位となる高打率(.305)を記録。切望していた一軍昇格を勝ち取ってみせた。

 再起を期する今季は、オフの自主トレでヤクルトの山田哲人に弟子入り。宝塚リトル時代の先輩後輩の間柄でもあり、小園の方から連絡をとる形で3度のトリプルスリーを達成した山田との練習が実現した。

 4月7日現在でウエスタン・リーグ10試合を消化しているカープは、5勝4敗1分で2位につけている。その中で全試合に出場している小園は、自主トレの成果を示すようにリーグ4位の打率.343、1本塁打、出塁率.361と好調をキープしている。現時点では一軍から声はかかっていないが、激戦区の内野で猛アピールを続ける毎日だ。

 2年目でプロの壁を味わった小園だが、潜在能力の高さは2019年シーズンの活躍で実証済みだ。挫折や苦悩を味わった珠玉の若鯉が、腐ることなく1日も早い一軍昇格を目指していく。