ドラ1右腕の栗林良吏が、開幕以降もゼロ行進を続けている。シーズン前の練習試合、オープン戦でも7試合に登板し、7回を無失点。開幕以降も4月18日現在で、9試合(投球回9)に登板し防御率0.00をキープし続けている。

地元名古屋でも安定した投球を見せた栗林良吏投手。ハイペースでセーブを記録中だ。

 ルーキーで開幕守護神を託されるのは、2003年の永川勝浩以来18年ぶり。奇しくも同じ背番号20を背負った男と同じルートで、プロでの第一歩を踏み出している。

「大学の時に20番をつけていて、個人的には愛着がある番号なので、20番をつけさせてもらえると聞いた時はうれしかったですね。ただカープでは非常に重みがある番号です。北別府さん(学)や永川さん(勝浩・現一軍投手コーチ)のように、1年間、一軍メンバーでいることがプロ1年目の目標と思っています」(『広島アスリートマガジン』2021年1月号)

 球団史上初の自由獲得枠として入団した永川は、小山田保裕の故障離脱によりルーキーイヤーながら栗林と同じくクローザーを託された。亜細亜大でのリリーフ登板はほぼなく本人も先発志望だったが、開幕直後から結果を残し続けた。

 開幕2戦目で初登板初セーブを挙げると、4日後には初勝利をマークした。3試合目の巨人戦(4月6日・広島)でプロの洗礼を浴び初黒星を喫することになるが、4日後の横浜戦(4月10日)で2セーブ目をマーク。4月終了時点で1勝5セーブを記録し、“新守護神”の座を不動のものにしていった。

 2試合連続での失点が、わずかに一度だけという抜群の安定感で、永川は一年を通してクローザーとしての役割を全う。亜細亜大の同期である木佐貫洋に新人王は譲ったが、ルーキーながら40試合に登板し3勝25セーブという堂々の成績を残してみせた。