思わず心を奪われる!カープの話題をゆる~くまったりと展開してくれる“オギリマワールド”。関東出身ながら中学生からカープファン。独自のタッチで描かれるイラストを交えたコラムでおなじみのオギリマサホが、広島アスリートマガジンWEBで、新たなカープの魅力を切り取る。今回スポットを当てたのは、鯉のぼりの季節の勝敗。まことしやかに囁かれる「カープは鯉のぼりの季節まで」が本当なのかを、オギリマ視点でゆる~く取り上げる!

◆鯉のぼりの「季節まで」と「季節から」の成績を比較

 5月5日は端午の節句。きっと日本各地で、鯉のぼりが空に泳いでいることだろう。

 カープにとって、そのチーム名の由来となった鯉は特別な魚である。新聞の見出しにも「コイ快勝」といったように略称として用いられ、鯉をモチーフにしたグッズも数多く販売されている。中でも「選手坊や」をウロコに見立てたデザインの手拭いは、毎年柄を変えて発売され、私も2021年バージョンを入手したところだ。

 ところで、そのような鯉とカープとをからめて、昭和の時代から伝えられる俗説がある。それが「カープは鯉のぼりの季節まで」という言葉だ。開幕から5月頭までは調子が良いが、その後失速するという意味である。

 他のチームではそのような言葉は聞いたことがなく、なぜカープだけが言われるのかといえば、季節感をあらわす生き物をチーム名に冠しているのがカープだけだから、という理由からではないだろうか。「虎の季節」とか「竜の季節」とかは聞いたことがない。

 一方でそのような言葉が生まれ、残り続けているからには、それなりの根拠があるのかも知れない。というわけで、過去10年間の「鯉のぼりの季節まで」と「鯉のぼりの季節から」の成績を比較してみたい。

 2011年~2020年までの「開幕~5月5日まで/5月6日から」の勝敗数、勝率は以下になる。
2011年 11勝7敗2分(.611)/49勝69敗6分(.415)
2012年 12勝17敗2分(.414)/49勝54敗10分(.476)
2013年 13勝17敗1分(.433)/56勝55敗2分(.505)
2014年 21勝10敗0分(.677)/51勝58敗2分(.468)
2015年 12勝18敗0分(.400)/57勝53敗3分(.518)
2016年 18勝14敗0分(.563)/71勝38敗2分(.651)
2017年 19勝11敗1分(.633)/69勝40敗3分(.633)
2018年 20勝11敗0分(.645)/62勝48敗2分(.564)
2019年 15勝16敗1分(.484)/55勝54敗2分(.505)
2020年 なし/52勝56敗12分(.481)

 こうしてみると、「鯉のぼりの季節」よりも「鯉のぼり後の季節」の方が勝率が高い場合が多く、「鯉のぼりの季節まで」となったのは2011年、2014年、2018年の3回となる。