◆チーム随一の俊足を武器に一軍の舞台で躍動

 昨季、高卒2年目ながら一軍で存在感を示した羽月隆太郎。昨年の8月7日の阪神戦で初出場・初スタメンを果たすと2安打3打点の活躍で初のお立ち台も経験。その鮮烈デビューはファンの脳裏に刻まれているはずだ。一軍の舞台を経験し、より逞しさを増した背番号69は、春季キャンプでは一軍に帯同。主力選手にまみれて汗を流した。

 「昨年、走攻守全てで課題が見つかったので、その課題を一つずつクリアしようとオフから取り組んできました。また、キャンプでは打撃もノックもとにかく数をこなすことを意識し一年間戦うための体づくりに励んできました」

 羽月が大切にしているのは準備。体力の底上げも準備に必要な要素だ。

 「玉木さん(一軍内野守備・走塁コーチ)から予測と準備が大事だとずっと言われてきました。特に一軍の試合は緊張感も大きいので試合前から入念に準備するように心がけています」

 持ち味の走塁にも磨きをかけた。ウエスタン・リーグでは10試合で10盗塁を記録し、俊足をアピールした。

 「塁に出るとカウントや球種、捕手の構えや投手の癖などを考えて仕掛ける隙を伺っています。これを一軍でもできるようにならないといけません。今季は昨季以上の成績を一軍で残すことが目標。呼ばれた時に結果を出せるように練習を重ねていきたいです」

 その一軍の舞台は早々に巡ってきた。二軍での活躍が認められ4月9日に一軍昇格。10日の巨人戦では新しく挑戦中のセンターでスタメン出場すると、プロ初盗塁も記録した。

 以降はプロ初の猛打賞、チームトップの4盗塁(5月3日時点)などを記録するなど、一軍で活躍の場を広げている。着実に成長を続ける若鯉が今季どんな進化をみせてくれるか、楽しみが膨らむ。