◆走攻守三拍子そろったスピードスター

 三村の引退後、1984年に『33』から変更して背番号『9』を引き継いだのが、長内孝だ。1976年に入団してからしばらくは選手層の充実から二軍でのプレーを余儀なくされ、8年目の1983年にレギュラーに定着した。

 背番号『9』元年となった1984年は小早川毅彦の入団で控えに回るが、1986年に小早川が故障するとレギュラーを奪還。初めて規定打席に到達し、キャリアハイの19本塁打、58打点をマークした。1989年には開幕戦で4番を任されるなど遅咲きの活躍を見せ、1991年限りで大洋に移籍。1993年限りで現役を引退すると、翌1994年から12年にわたってカープのコーチを務めた。

 1996年に背番号を『37』から『9』に変更し、2009年の現役引退まで14年間という、この番号の最長記録を更新(それまでは三村の12年)したのが緒方孝市だ。鳥栖高から1986年のドラフト3位でカープに入団すると、1995年に外野の定位置を獲得。度重なる故障に苦しみながら、1999年には36本塁打を放つなど長打力も発揮した。

 打撃だけではない。ゴールデン・グラブ5回の守備、盗塁王3回の走塁と、まさに走攻守が揃った活躍でチームを牽引。2008年からはコーチを兼任し、2009年限りで引退すると背番号を『79』に変更してコーチに専任となった。2015年には監督に就任し、翌2016年には25年ぶりのリーグ優勝を実現。ファンに歓喜の瞬間をもたらした。