◆再びクローザーの背中に継承

 2016年シーズンから『21』を背負っているのが、中﨑翔太だ。2011年の入団当初は『56』を与えられ先発を務めていたが、3年目にセットアッパーを経験。2015年は開幕からセットアッパー要員として一軍入りを果たすだけではなく、ヒースや一岡竜司の不調もあり、開幕直後からクローザーに抜擢された。

 この年は69試合に登板し29セーブ、防御率2.34をマークし、2010年の横山竜士以来となる球団日本人投手による二桁セーブ、2009年の永川勝浩以来となる球団日本人投手の20セーブ超えとなった。

『21』に変更した2016年にはさらに安定感を増し、60回の登板で防御率1.37を記録。25年ぶりの胴上げ投手にもなった。以降も絶対的守護神として君臨し、リーグ3連覇中は3年連続で胴上げ投手に。しかし2019年からは状態を大幅に崩し、クローザーの座をフランスアや栗林良吏らに譲る形となっている。

 球団初のストッパーである龍が着けた背番号『21』を背負う中﨑は、2021年5月18日現在で歴代30位の通算115セーブを記録している。その歴史にさらなるページを加える中﨑の早期復調に期待が集まっている。

【背番号『21』を背負った主なカープ選手】
龍憲一(投手/1963年-1970年)
佐伯和司(投手/1971年-1976年、1981年-1982年)
小林幹英(投手/2005年)
齊藤悠葵(投手/2008-2013年)
篠田純平(投手/2014年-2015年)
中﨑翔太(投手/2016年-)
※初めて背番号を付けたシーズンのポジションを表記。