新型コロナウイルスの影響で総勢16選手の入れ替えが実施されるなど、カープがかつてないほどの激震に見舞われている。15勝20敗と苦しい戦いが続くチームの現状を、OBの笘篠賢治氏が独自目線で分析する。

PCR検査では陰性も、球団独自の判断で自宅待機となった西川龍馬選手。

 菊池涼介、小園海斗、正隨優弥の3選手が新型コロナウイルスの陽性判定を受けたことで、合計8選手が離脱となってしまいました。特に菊池と小園の2人は好調だったので、痛いですね。1日でも早く体調を回復させて戻ってきてくれることを願います。

 さて、では先週(5月12日のヤクルト戦から16日のDeNA戦)の試合を振り返っていきましょう。1勝2分と借金をひとつ減らすことができましたが、雨で2試合が中止となりました。

 特筆したいのは、16日のDeNA戦ですね。この試合では7番に打順が下がった西川龍馬が2打点と活躍しました。特にソトに逆転3ランを浴びた直後の8回裏、あれは西川にしか打てない芸術的な打撃でした。あのまま負けていたら嫌な負け方になっていたので、あれは大きな一打となりました

 西川には西川のストライクゾーンがあって、他の人よりも広いコースにアジャストできる。高めのボール球を引っ張って本塁打にすることもあれば、低めのワンバウンドするような球をヒットにすることもある。イチローも、そう。縛りをつけてはいけない打者なんです。

 いろいろな声もありますが、周りがとやかく言う必要はないと思っています。彼の感性に任せておけば良いのではないでしょうか。特に今はバッティングの調子を落としている時期です。自分が打ちたい球を、思い切って振りにいく事が大事でしょう。

 むしろ変に考えて、積極性を失う方が良くありません。ボール球を振りにいって、そこでダメならバットを止める、くらいの感覚で良いでしょう。じっくりと球を見極めていたら調子は上がってこないと思います。