5月19日の巨人戦でプロ初打点。また先発・九里亜蓮の完投をアシストするなど、文句なしの活躍を見せた中村奨成。コロナ禍の影響で阪神との3連戦が中止となってしまったが、この勢いを今後も持続したいところだ。ここでは、いま最も注目を集める中村奨成の、プロ1年目の声を再録する。
(『広島アスリートマガジン』2018年5月号掲載)
◆目指すのはチャンスに強い打者
─ 3月に入り、実戦で打席に立つ機会が増えています。打者目線として、プロの投手の球をどのように感じていますか?
「まず直球のキレがすごいですし、変化球の質も全く違うなと感じています。初めて対戦する投手ばかりなので、苦戦することも多いですね。ヒットが出てはいますが、納得する当たりはなかなか少ないです。ただ、3月24日のオリックス戦では4安打打つことができて、ある程度納得する当たりもありました。今はあの感覚を大事にやっていきたいと思っています」
─ その4安打放った試合では、初本塁打もマークされました。
「しっかりとバットを振ることができていたので、その結果、本塁打になる当たりを打てたのではないかと思います。ただ、僕はホームランバッターではないので、本塁打はヒットの延長というつもりでいます。高校時代から本塁打を狙うのではなく、チャンスに強い打者を目指しているので、そこはプロになっても変わらない部分です」
─ 現段階で、打撃で意識している部分を挙げるならば、どんな点ですか?
「今はとにかく1スイングごとに、強く振ることだけを意識しています」
─ 練習を拝見していると、いつも大きな声を出されています。やはり意識されている部分ですか?
「僕は捕手ですし、倉さん(義和・当時二軍バッテリーコーチ)からいつも『捕手は司令塔だ』と言われているので、僕が大きな声を出すことで発信していかなければいけないと思っていますし、守備をしている周囲の人たちを意識することもあります。また大きな声を出すことで、僕自身も落ち着けて、緊張がほぐれる部分がありますね」