プロ3年目を迎えた林晃汰選手。一軍定着に期待がかかる。

◆プロ初本塁打に初打点。楽天戦では田中将大から豪快な一打

 5月18日に一軍に昇格した林晃汰。昇格した18日の巨人戦でスタメン出場すると、2安打を放ちプロ初打点も記録。5月29日のロッテ戦ではプロ初本塁打を放つなど、巡ってきた一軍のチャンスを活かしつつある。

 開幕は二軍スタート。リーグ開幕直後は打率1割台と苦しんでいたが、徐々に調子をあげ、5月に入ると打率は2割5分まで上昇。持ち味である長打も5月5日のソフトバンク戦(タマスタ筑後)で満塁本塁打を放つなど、試合を重ねるごとに結果を残してきた。

 「一打席一打席を大事にして勝負に集中することを心がけています。チャンスの場面での一打がまだまだ物足りないと思っていますが、少しずつ結果も出てきたので、そこはプラスに捉えていけたらいいなと思っています」

 スラッガーとして林が意識しているのは得点圏での勝負強さ。今季は結果が出ないことによる焦りも見え、シーズン序盤は凡打を重ねたが、バットを振り込むことで現状を打破してきた。

 「たしかに焦りがありました。積極的にいく場面とそうでない場面の整理ができていなかったので、その心の準備ができるようになったことで、落ち着いて打席に立つことができるようになったのかなと思います」

 昨季は初めて一軍に昇格するとプロ初安打を記録。一軍投手のレベルを体感し、成すべき課題も数多く見つかった。高卒3年目の今季は一軍春季キャンプに帯同。一軍クラスの直球に負けないように、新たな打撃スタイルに取り組むなど、試行錯誤を重ね、それがようやく結果として現れてきている。

 6月7日現在で、林の一軍での成績は、打率.452・2本塁打・6打点。6月5日の楽天戦では、8年ぶりに日本球界に復帰した田中将大から本塁打を放った。好調を維持しているだけに、今後もスタメンで起用される可能性が高い。

 チャンスに強い打撃を目指す左のスラッガーが、今シーズン、覚醒の時を迎えつつある。