プロ3年目を迎えた正隨優弥選手。勝負の一年、一軍での活躍に期待がかかる。

◆コロナから復帰へ!二軍で月間MVPを獲得したスラッガー

 現状を打破できるのは、自らのバットしかない。開幕一軍入りを逃した正隨優弥は、二軍でコンスタントに打ち続け、3・4月の全24試合に出場してリーグトップの打率.330、29安打を記録。本塁打、打点もリーグ2位の数字を残し、3・4月度の「スカパー!ファーム月間MVP賞」を受賞した。

 好調の裏側には、打席でのタイミングの取り方と打球角度がある。春季キャンプ後に二軍降格となった正隨は、上半身ではなく下半身主導でタイミングを取るようになり、それにより長打の確率が上がった。思い描いた打球角度での本塁打もあり、一つひとつの結果に確かな手応えを感じつつある。

「低いライナー系の打球が増えてきたので、打率が残っているのかなと思います。ただ、理想を言えば、もっと本塁打を伸ばしていきたいです。そのためには、もう少し打球角度を上げる意識を持たないといけません。あとは、打つべき球をしっかりと捉えること。打席では弱気にならず、自分から仕掛ける意識を忘れないようにしています」

 5月に入ると正隨の活躍の場所が変わった。二軍での結果が評価され、5月4日に一軍に昇格。5月12日のヤクルト戦(神宮)で7番レフトで今季初スタメンに抜擢されると、第1打席で今季初安打を放ってみせた。

「本塁打はもちろん、打点にもこだわっていきたいです。チャンスで打てばまた使ってもらえると思うので、一軍で結果を残せるようにやるのみです」

 5月17日に新型コロナウイルスの陽性判定を受け離脱してしまったが、二軍で確かな結果を出したことで、これまでとは違う手応えが正隨の中には残っているはずだ。覚醒の時を迎えつつある期待のスラッガー。チームとして巻き返しをかける夏場、バットでのアピールに期待がかかる。