華やかな入退場シーンもプロレスの魅力の一つ。大音量の『STARDUST』が流れる入場シーンだけではなく、試合後の内藤選手の一挙手一投足にも注目だ。

◆中学3年のとき夢がプロレスラーに

 あと中学3年のときに、自分でお金を払って初めて会場までプロレスを見に行ったんですけど、入場してくる選手がスポットライトを浴びている光景を見たときに、素直にカッコいいなと思ったんですよね。プロレスも大きな視点で見たら団体スポーツですけど、基本的には個人で頑張りさえすれば上に行けるっていう。

 それまで野球、サッカーっていう団体競技しかやっていなくて、野球もサッカーもキャプテンとかやっていましたけど、チーム自体は強くなかったんですよ。自分が頑張っても勝てないことがあって、そういう悩みもある中でプロレスは自分が頑張れば上に行けるんだなっていう。自分の努力しだいでどうにでもなる、というところにも憧れて、中学3年のときにプロレスラーになりたい、新日本プロレスに入りたいと思うようになりました。

 団体競技っていう部分では、これも前に触れたことがありますけど、1996年にカープが優勝争いをしているときの巨人戦が印象に残っています。その試合で野村謙二郎さんがインコースのボールに対して、右腕をちょっと前に出してデッドボールをもらいにいったんですよ。

 あまりチーム状態が良くない中で、なんとしてでも塁に出てチャンスメークをしたいっていう執念ですよね。あれはチームスポーツだからこその場面というか、まさにフォア・ザ・チームの良さだなと。

 どうしてもホームランとか派手な部分に目がいきがちですけど、自分から当たりにいってデッドボールを取りにいく姿はすごく泥臭かったし、新日本プロレスで例えるなら、ヤングライオン……若い選手たちが先輩選手に食らいついていくような、そういう泥臭さがありました。なので、あのシーンはすごく印象に残っています。