今回は卓越した指導理論でサンフレ戦士を導く城福監督の内面に切り込みます。

 

 リフレッシュ法は何ですか?

ボール回しやお風呂に行って汗をかくことは、僕の中ではリフレッシュする一つの方法ですね。頭の中のスイッチを切り替えるように努力するし、その後にしっかり睡眠をとるまでが自分の中での大事な切り替えだと思っています。

 いつも見てもスタイルが変わらないですが。

ある意味で自分のストレス発散法でもあり、スタッフとのコミュニケーションの場でもあるボール回しはすごく大事な時間にしていて、練習後に選手全員が退けてから吉田練習場であれば夕方からやるんですけど、そういう機会というのは自分の中で大事にしています。それによって健康であるとかスタッフ間のコミュニケーションが両立できればいいなという考えでやっていますね。

 言葉を持たれた監督という印象があります。

選手に対しては伝えるというより響かせることが大事だと思っています。自分の場合は年齢的なものもあって、サッカーはアマチュアのまま引退しました。他のJリーグの日本人監督は、そのほとんどがプロで何百試合も出ているかW杯で戦ったような経験のある方たちが指揮を執っています。そうなると自分は違うストロングを見せないと戦えないと思うし、言葉というのは心に響かせる大きなツールだと思っていますので、それは大事にしています。しんどいときにもみんなが立ち還れるようなところを持たせてあげるような、そういう伝え方をしたいと思っています。

 座右の銘を教えてください。

座右の銘とは違うのですが、いま監督をやれていることへの『感謝』と、やるのであれば『楽しむ』という、この二つはどんなシチュエーションでも大事にしています。

 新スタジアム案が進展したことについて。

昨年のホームの神戸戦では、2万9000人が入ったと聞いています。来るのもバスで1時間待ち、帰るのも2時間待ち。それでも来てくださる方がいるんです。もう一つは最終節。勝っても負けても6位という中で、1万3000人の方たちが足を運んでくださいました。この人たちをまずは喜ばせない限り、新スタジアムのことは語れないと思っています。僕がやるべきことは、そういう人たちのことを強く思いながら、その人たちと喜びあえるシーンを一回でも多くつくることだと思っています。