手術からの復活を期する今季、佐々岡真司監督から投手キャプテンを託された大瀬良大地。3年連続で開幕投手に抜擢され、4月2日のDeNA戦(横浜)で昨年8月22日以来となる勝ち星を手にすると、4月9日の巨人戦(マツダスタジアム)でも菅野智之との投手戦を制し快調なスタートを切った。

 しかし4月中旬に右脚を負傷し登録抹消。約1ヶ月にわたり、二軍で調整を続けることになった。5月18日の巨人戦(東京ドーム)で一軍復帰を果たすも、ここまで白星をあげることができていない。

 逆境を乗り越えエースとしての輝きを取り戻すことができるか。ここでは、今年3月に行った本誌独占インタビューをもとに、エース大瀬良の今季にかける思いを紹介する。

3年連続で開幕のマウンドを託された大瀬良大地投手。エースとしての活躍に期待がかかる。

◆投手キャプテンとしていい手本となれるように

──今季から投手キャプテンに就任され、投手陣をまとめていく役割が期待されています。キャプテンマークをつけたことで、心境面で何か変化はありましたか?

「数年前から投手陣を引っ張っていける存在になりたいと思い過ごしていたので、心境面で大きく変わったところはありません。ただ、これまで以上に、選手同士でしっかりとコミュニケーションをとろうという気持ちは強くなりました」

──3連覇を果たした頃に比べると、チームの顔ぶれが変わりつつあります。投手野手問わず、若い選手とのコミュニケーションで意識されていることはありますか?

「自分でしっかりと考えて練習している選手が多いので、僕から何か言うこともないのですが、それぞれが取り組んでいることに対して意見を求められたらアドバイスをするようにしています」

──大瀬良投手がプロ野球選手になりたての頃と比べて、いまの若い選手の姿はどう映っていますか?

「若い頃の僕よりも、今の若手選手はトレーニングに関する知識量が多いですし、その情報を生かしながら、実践と失敗を繰り返し、成長しようとしているなと感じています。これだけ情報が多い社会のなかで、自分に必要なものを取捨選択していく難しさはあると思いますが、いろんなことにチャレンジしていく姿勢は素晴らしいなと思って見ています」

──手術明けのシーズンとなります。今季に向け、自主トレから意識して取り組まれたことを教えてください。

「今年は30歳になりますし、20代の頃と比べて体の変化も感じていたので、このオフは筋肉量を維持しながら体重を5キロ近く落としました。またこれまでは、筋力をつけて、力で強く速い球を投げようと取り組んできましたが、昨年の手術をきっかけに、柔軟性を生かし体をうまく使うことで、そういった球を投げられるようにと考えるようになりました」

──今シーズンにかける意気込みを教えてください。

「まずは今年1年間、ケガをせず、先頭に立ってチームを引っ張っていきたいと思います。また、投手キャプテンにも選んでいただいたので、野手キャプテンの(鈴木)誠也と選手会長の(田中)広輔さん、そして頼もしい先輩たちと一緒に、しっかりコミュニケーションをとって、これまで以上のチームをつくっていきたいと思います」