一軍ブルペン復帰の期待がかかる中﨑翔太投手。

 昨季の一軍登板は6試合。9月には右肩の手術を受けて戦線離脱。3年連続で胴上げ投手に輝いた、かつての守護神・中﨑翔太にとって、今季は復活をかけた大事なシーズンだ。

「課題はいろいろありますが、まずは真っ直ぐをしっかりと投げることができるように取り組んでいます」

 打者の手元で微妙に変化する力強い直球は中﨑の持ち味。昨季の手術で右肩にあった“こぶ〟を除去したことで、これまで以上に力一杯、腕を振ることが可能となった。直球に関しては、昨年以上に確かな手応えを感じつつある。

 開幕から二軍で結果を残したことで5月下旬に一軍昇格。5月28日のロッテ戦(ZOZOマリン)で今季初登板を飾った。しかしこの試合は1回3失点。続く2試合は無失点に抑えるも、6月4日の楽天戦(マツダスタジアム)で1回5失点。相手打線に集中打を浴び大量失点を喫するなど不安定な投球が続いたことで、二軍での再調整となった。

「悔しいですが打たれてしまった事実は変えることはできないので、次にチャンスを与えてもらった時のために状態を上げていくしかありません」

 今季、一軍ブルペンの顔ぶれは変わり、中﨑が君臨していた守護神の座には、ドラフト1位のルーキー・栗林良吏が抜擢され活躍を続けている。

「みんな良い球を投げています。それを見て負けられない気持ちもあります」

 ここまで積み上げてきたセーブ数は115。その実績と数々の修羅場をくぐってきた経験は必ず若い選手の支えになるはずだ。体調面に不安はない。信頼を勝ち得てきた投球をもう一度取り戻すため、中﨑の挑戦は続く。