二軍で投球フォーム修正に取り組む、ケムナ誠投手。

 プロ3年目の昨季、シーズン途中に一軍昇格を果たすと、勝ち継投を担うなど41試合に登板。飛躍を遂げた1年となった。

 それだけに今季、ケムナ誠にかかる期待は大きかった。今季の初登板は3月26日の中日との開幕戦(マツダスタジアム)。1点リードの8回表、2死三塁のピンチでマウンドを託されたが、ビシエドに本塁打を打たれ逆転負け。以降の登板でも失点が続いたことで4月中旬に二軍降格となった。

 そこでケムナは自身の投球と向き合い、結果を出すために改善点を探った。

「球速は問題なく出ているのですが、打者から空振りがとれないし、芯で捉えられるケースが増えていました。その理由を考えながら映像を見返したり、投手コーチと話すうちに、体の開きが早いことが原因ではないかという結論になりました。開きが早いぶん、打者からすると、ノビを感じないイメージ通りの球になっていたようです」

 そこから知らぬ間にしみ付いていた体の開きを修正する日々が始まった。試行錯誤を繰り返し、6月に入り、ようやくトンネルの出口が見えてきた。

「打者が球のノビを感じているのか空振りを奪えるようになりました。速いだけではダメ。いかに打者の感覚をずらせるかがポイントになってきます。時間はかかりましたが状態は上がってきています。一軍に呼ばれた時に、次こそは不甲斐ない投球をしないように精度をあげていきたいと思います」

 夏場は連戦が続くだけにリリーフの役割は増していく。昨季一軍で得たものと、今季の二軍での苦しみを力に変えて、もう一度一軍のマウンドに返り咲くため、ケムナは鍛錬を重ねていく。