一軍定着の期待がかかる小園海斗選手。

 7月1日の巨人戦(東京ドーム)、前日の投手戦とは一転し、序盤から得点の奪い合いとなったが、投手陣が乱れ10失点。巨人のエース・菅野智之を攻略し4点を奪うも、そのリードを守り切ることができず、4対10で敗戦した。

 逆転負けを喫したチームで目立ったのはプロ3年目の小園海斗。初回、1死二塁ではストライクを取りにきた菅野の変化球を捉え先制の二塁打を放つと、続く2打席目も安打で出塁。4番鈴木誠也の本塁打をお膳立てした。さらに5回の3打席目も安打を打ち、3打席連続安打で猛打賞を記録。菅野を相手に思い切りの良い打撃をみせ好調をアピールした。

 目立つのは「積極性」。第1打席は2球目のファーストストライク、第2打席は1ストライクからの2球目、第3打席は初球と、積極的に振っていくなかでしっかりと結果も残した。

 一軍出場がわずか3試合に終わった昨季の悔しさを払拭するため、今季の自主トレでは、ヤクルトの山田哲人に弟子入り。球界を代表するスラッガーから得た助言は、打撃・守備の両面で小園の意識を変えていった。

「打撃について色々教えてもらい、打つときに、手を体から離しすぎないようにすることを意識するようになりました。これまでは、打つポイントがバラバラで打率も残っていませんでした。肘が体に近いほうが力も伝わりやすいと聞いたので、打つポイントを近くするような練習を続けてきました」

 4月下旬に一軍昇格以降、ショートでスタメン出場を続け、3割を超える打率を記録。6月13日からは3番でスタメン出場を続けている。

「一軍のショートのポジションを狙うのが目標です。そのために、まずは一軍に定着して、任されたところで全力でプレーできたらと思っています」

 昨夜の巨人戦。5回に牽制で刺されるなど、もろさもあるが、がむしゃらに結果を求めてアピールする姿は、チームに与える影響も大きい。昨夜の敗戦でチームは自力優勝の可能性が消滅。しかしペナントレースは、まだまだ長いだけに諦めるわけにはいかない。小園や林晃汰といった若い選手の積極的なプレーが、良い流れを生むきっかけになることを期待したい。