プロレスのオールスター戦や団体対抗戦の舞台にもなった東京ドーム。手前はボクシングやプロレスの聖地として名高い後楽園ホール。

◆今日だけは仲良く、みたいなのは好きじゃない

 プロレスでも過去に何度かオールスター興行が開催されています。オレがファン時代には女子プロレスでオールスター戦もありましたけど、男子の団体ではほとんどなかったですね。かつて『週刊プロレス』がいろいろな団体を集めて東京ドームで大会を開催したこともありましたけど、オレが中学生の頃の話であまり記憶にないです。

 もちろんオールスターという言葉はワクワクするけど、ファンのオレが見るとしたら新日本プロレス絡みの試合だけだったでしょうね。他団体同士の試合は興味が沸かないし、仮に新日本と他団体が対戦するならば、新日本が勝ってほしい。

 そういう意味ではオールスター戦ではなかったですけど、新日本とUWFインターナショナルの対抗戦は好きでした。対抗戦はいいけど、新日本が他団体の選手と組んだりするのは好きじゃなかったです。

 自分がプロレスラーになってからは、2011年の東日本大震災のあとに復興チャリティーとして『ALL TOGETHER』という新日本、全日本、NOAHの選手を中心に一堂に会したオールスター興行が2回、開催されました。1回目のときはSANADA(当時は全日本所属の真田聖也)、NOAHの谷口周平選手と組んだんですけど、試合前も試合後もSANADAとは握手すらしなかったし、今日だけは仲良くしましょうみたいなのは好きじゃないです。

 『ALL TOGETHER』のことで言えば、エンディングで新日本の棚橋弘至選手の「愛してま~す!」という締めの言葉に合わせて、他団体の選手を含めてみんなで腕を突き上げていたんですけど、そのときもたぶんオレだけやってなかったと思います。今日だけは……みたいなのは違うんじゃないかなと思ったので、そこは自分なりの抵抗じゃないですけど、自身の考えを貫いた感じでしたね。