前半戦、打率.254、75安打、7本塁打、33打点と物足りない成績に終わった西川龍馬。後半戦の巻き返しを図るうえで、復調が待たれる野手のキーマンの一人だ。得点力アップのカギを握る背番号63の思いに迫った。

後半戦の巻き返しに期待がかかる西川龍馬選手。

◆下半身主導の打撃が進化の鍵に

 主力として成長を続ける西川だが、昨季はケガと闘った1年だった。2020年は開幕から3番打者として打線を引っ張っていたが、下半身のコンディション不良で8月下旬に戦線離脱。開幕前から違和感を感じていたという右足が悪化し、思うようなプレーができずにいた。10月に再度一軍に復帰し、プロ入り初の4番を任されるなどしたが、痛みは払拭できず、11月に右足の手術(右腓骨筋腱腱鞘形成術)に踏み切った。

 リハビリ期間の約2カ月、西川がバットを振ることはなかった。春季キャンプも二軍スタート。焦る気持ちを抑え、2021年の開幕にベストな状態で臨めることができるように調整を重ねた。

「リハビリ期間中はバッティングのことは考えていません。考えたらバットを振りたくなりますから。開幕に標準を合わせ、治すことを最優先に考えて取り組んできました。あと、手術をしたことで、これまで以上に体のケアに気を遣うようになりました。練習前や試合前に、より入念にウォーミングアップをするようになったので、そういう意味では野球に取り組む意識が変わったと思います」

 今季の開幕戦、西川は3番・センターでスタメン出場。その第一打席、最初のスイングで弾き返した打球はライトスタンドへ。本塁打からシーズンが始まる幸先の良いスタートを切った。

「今年から、体重を増やし下半身をより意識した打撃に取り組んでいます。バットに球が当たった時の飛距離や打球の強さが変わってきた感触はありますね」