金メダルを目指し、侍ジャパンの挑戦が始まる。カープからは12球団最多となる4選手が出場。ここでは、五輪出場経験のあるカープOBの笘篠賢治氏に、侍ジャパンに選出された選手がもたらすチームへの影響について話を聞いた。

侍ジャパンでの活躍に期待がかかる鈴木誠也選手。

◆東京五輪に出場する4選手は経験をチームに還元してほしい

 いよいよ東京五輪が開幕しました。野球は7月28日から金メダルへの戦いが始まります。日の丸を背負うプレッシャーは、ペナントレースとは桁違いのものがあると思います。国際大会の経験は本当に貴重ですから、出場する選手は、東京五輪でのさまざまな経験を吸収してチームに帰ってきてもらいたいですね。

 鈴木誠也も4番候補と言われていますが、国際大会は、どの打順であっても、仮にベンチスタートであっても、選手全員が一体となって戦っていくことが求められます。逆に選手が個人成績に走ってしまうと金メダルは難しいと思います。もちろん競争も大切ですが、チームが一つになれるかがポイントとなりそうです。慣れ親しんだ横浜スタジアムでの試合が多いだけに、なんとか悲願でもある金メダルを勝ち取ってもらいたいですね。

 カープからは、鈴木をはじめ、12球団最多の5選手(菊池涼介・森下暢仁・栗林良吏(會澤翼はケガで辞退))が選出されましたが、これは本当にすごいことです。カープには優秀な選手がいるという証拠。3連覇を成し遂げたチームですし、自分達のプレーに自信と誇りを持って、堂々とプレーをしてもらいたいですね。

 最後まで諦めないのがカープ野球ですから、そういった試合を続けて、ペナントレースを盛り上げていってもらいたいです。一つひとつ勝利を積み重ねていくしか上位進出はありませんから。ファンのみなさんもストレスが溜まる日もあると思いますが、苦しい時こそ、チーム・ファン・球団が一つになることが大切です。そして、楽しむのが一番だと思うんです。今年は野球を楽しむ時間が戻ってきた、そう前向きに捉えて選手もファンも目の前の試合に臨んでもらいたいですね。