カープ・木下元秀選手。

 昨季、二軍で60試合に出場し、打率1割台後半ながらリーグ4位の本塁打を記録した木下元秀。支配下登録を目指し挑んだ2年目、課題の打撃の確実性はあがり、開幕から3割台の打率をキープしたが、長打を打てない日々が続いた。

 期待された本塁打も5月終了時点で1本。思ったほど打球が伸びず、打球を遠くに飛ばそうとするあまり三振が増えてきたこともあり、木下は、母校の先輩で、一緒に自主トレを行った昨季のパ・リーグ首位打者・吉田正尚(オリックス)にアドバイスを求めた。

「吉田さんには、練習から体を大きく使ってスイングし、その中で自分の打つポイントを覚えることが大切だと教えてもらいました。そのポイントで打てれば詰まった打球でも構わないと言われたので、それを意識し始めてから外野を超える打球が増えてきました」

 吉田には、シーズン中に、打撃について聞くことも多く、侍ジャパンに選出された日本を代表するスラッガーの言葉は、木下の意識を高め、率も残せる長距離砲としての成長を促している。

「打率が残せているのは自主トレの成果だと思います。吉田さんや西川(遥輝)さんに教わったタイミングの取り方やバットの軌道を実践できつつあります」

 今季、本塁打は2本だが、打率は2割台後半を維持。チーム1位の安打数が木下の成長を示している(数字はいずれも7月26日時点)。あとは長打が増えてくれば支配下も見えてくる。

「本塁打も少ないですし、今の成績では無理なのは分かっています。課題を一つひとつ克服しながら今年中には何とか支配下を勝ち取りたいですね」

 秘めたポテンシャルは高い。未来の大砲は一軍を目指し鍛錬を続けていく。