カープ・中田廉投手。

 開幕から貴重なリリーバーとして一軍で活躍してきた中田廉。4月、5月と安定した投球で応えていたが、6月に入ると、チームの成績と共に中田の成績も下降を辿った。1イニング4失点を喫した6月16日の日本ハム戦(マツダスタジアム)後に二軍降格。課題はストレートにあった。直球では打ち取れない対戦が増え、変化球でかわす投球が目立つようになった。

「球速は出ているのですが、打者の反応を見るとスピードを感じていないように見えました。良いときは140キロ台前半でも空振りを奪うことができていたので、もう一度、真っ直ぐの精度を取り戻したいと思っています」

 復調に向けて中田が意識したのは下半身の使い方。力で投げようとすると、どうしても上半身に力が入る。そこで下半身を意識し体重移動をしっかりと行い球を投げることを心がけている。

「一軍では、打者が真っ直ぐを待っていることが分かっても、真っ直ぐを投げないといけない状況もあるので、そこでファールを打たせたり、空振りを取れる直球に仕上げていきたいですね」

 二軍では、中﨑翔太や今村猛、一岡竜司など、かつて中田と共に一軍ブルペンを支えたリリーバー達が若手に混じって汗を流している。

「もちろん刺激は受けています。ただこの世界はやっぱり競争ですから。彼ら以上のものを出せば一軍に戻れる可能性も高くなると思うので、お互いに切磋琢磨しながら良きライバルとして頑張っていきたいと思います」

 Aクラス浮上を目指すうえで、経験豊富な投手が、一軍ブルペンに必要になる時はきっと来る。伸びのある直球を取り戻し、後半戦の巻き返しに期待したい。