2年ぶりに球児たちの熱い夏が戻ってくる。いよいよ明日、8月9日に開幕する夏の甲子園。この企画では、何物にも代えがたい濃密な3年間から、球児たちは何を学び、何を得るのか。カープ選手の高校時代を、彼らの当時のエピソードと共に紹介していく。今回は、プロ3年目の林晃汰と2年目の木下元秀の高校時代を振り返る。

◆2018年夏:監督の教えを心がけてバットを振った3年間

和歌山・智弁和歌山高出身の林晃汰選手。

 智弁和歌山高では、1年からベンチ入りし主軸を任された林晃汰。2年夏に甲子園に出場。1回戦の興南戦で、本塁打を放ち、長距離砲としての素質を全国にアピールした。

「実はこの時の甲子園のことは、あまり覚えていないんですよね(苦笑)。そのとき肘を故障していて、痛みに耐えるのに必死でした」

 大会後には右肘の手術を行い、2年冬に練習を再開。より力強さを増したスイングで、逆方向にも打球を放り込むほどのパワフルな打撃を身につけていった。

「1年の頃に高嶋監督から『恐れず、思い切って振っていけ』と言われてから、それはずっと心がけてやってきたことですし、自分の魅力でもあると思います」

 高校時代は通算49本塁打を記録。失敗を恐れず、積極的に振っていくことで、長打力に磨きをかけていった。そして、恩師の教えでもある積極性は、プロに入ってからも、林の持ち味として輝きを放っている。