ペナントレース後半戦が始まり、カープはここまで4試合を戦い1勝3敗。苦しい戦いが続いている。巻き返しに向けてチームに必要なことはなにか、カープOBの笘篠賢治氏に聞いた。

カープ打線を牽引する活躍が期待される野間峻祥選手。

◆小園には3割30盗塁を目指してほしい

 先週から後半戦が始まり、1番に起用されている野間峻祥が良い感じでスタートを切ってくれて安心しました。エキシビションマッチで結果を残し、公式戦のスタートが重要というところで、初戦に本塁打を放ち、3戦目は無安打でしたが、8月17日の中日戦では2安打。打撃の形を見ていても、エキシビションマッチで見せていた良いものを、公式戦に入ってからも続けることができています。

 しばらくは、1番に野間を起用した打順で戦っていくかたちになると思います。そうなると、4番の鈴木誠也がマークされることが予想されるので、その前後の打者が頑張らないといけません。特に5番を任されている坂倉将吾。チームの得点力は、彼の成績に左右されてくるのではないかと思います。

 あとは3番を打っている小園海斗。8月17日現在で打率.311と素晴らしい数字を残しているのですが、期待を込めて言うと、3番打者として打撃内容に怖さがないんですよね。追い込まれてから三振を極力しないようにと当てにいく打撃になっていて、思い切りの良いスイングが少ないんです。出塁タイプの打ち方になっているように感じます。

 そこで一つの案ですが、野間の状態がこのまま続くのであれば3番を任せて、1番に小園を起用しても面白いと思います。粘って出塁できますし、1番であれば、もっと走らせることもできるはずです。

 将来的に、小園には、打って走って守れる選手になってほしいです。ただ3番だと、次の打者が鈴木なのでシチュエーション的に走りにくいんです。現時点で1盗塁。走れる選手だけに、ちょっともったいないですね。3割30本30盗塁というタイプの選手ではないかもしれませんが、3割30盗塁ができる選手にはなれるはずです。小園にはそこを目指してもらいたいですね。

 あと一軍の捕手が、坂倉、石原貴規、磯村嘉孝、中村奨成の4人体制になっているのももったいないと思いながら見ています。石原がスタメンマスクを被る場合は、坂倉は一塁手として出場していますが、中村奨は代打中心の出場になっています。

 もちろん一軍の試合を見る中で得られるものはたくさんあります。ただ、中村奨を外野手として育てていく可能性があるのであれば、二軍で試合に出させて経験を積ませてあげたほうがいいような気もします。

 代わりに二軍で頑張っている正隨優弥あたりにはチャンスをあげてほしいですね。二軍で成績を残しても一軍のチャンスが巡ってこなければモチベーションも下がってしまいます。そういう部分も今後の課題として、注目して見ていきたいです。