開幕から抑えを任され大車輪の活躍。その活躍が認められ新人ながら侍ジャパンに選出されると、東京五輪では日本の守護神として活躍した。今後もクローザーとしての活躍に期待がかかる栗林の、ペナントレース後半戦に向けた熱き思いを届ける。

カープの守護神として活躍を続ける栗林良吏投手。

◆次回登板で真価が問われる。恩師のメッセージで切り替えた

─ここからはカープでの話をお聞きします。6月10日のソフトバンク戦(PayPayドーム)で開幕から22試合連続無失点の球団新記録を達成されました。どんなことを意識して開幕から投げてこられましたか?

「守護神として何よりも意識しているのはチームの勝ちを消さないこと。負けないことを目標にしてきました。そのために永川(勝浩)投手コーチ、横山(竜士)投手コーチにいろいろ相談しながら一つひとつの準備を大事にしてきました。そういった過程の結果、無失点で抑えることができたと思っています」

─6月13日のオリックス戦(京セラドーム大阪)で初登板から続いていた無失点記録が途絶えました。試合後どう気持ちを切り替えられましたか?

「記録が途絶えて落ち込んだというよりも、チームが負けたという結果に落ち込みました。ただ、大学の投手コーチである山内(壮馬)さんが『次回登板で真価が問われる。次が大事』という内容のことを話されている記事を見て、本当にその通りだなと。なので、次の登板を大切に投げようと気持ちを切り替えました」

─開幕からここまで投げてきて、プロでやっていけると手応えを感じた試合を教えてください。

「自信を得た試合はまだありません。ただ、ピンチを迎えても無失点で切り抜けることができたり、三振が欲しい場面で三振を奪えたシーンはいくつかあるので、結果だけ振り返ると良い部分も大きいのかもしれません。ただ、抑えたい一心で臨んだ柳田(悠岐・ソフトバンク)さんとの対戦も、結果的には打たれましたし、ランナーを出したくないところで実績のある打者に打たれることも何度かあったので、そういう意味でもまだ自信をつかんだとは言えないですね」

─ただ、これまでの36登板(8月22日時点)で三振が奪えなかったのはわずか3試合です。三振について意識していることを教えてください。

「シーズン当初、佐々岡(真司)監督が『三振を奪れるから抑えを任せている』というコメントをメディアの前で言われていたので、奪三振は常に意識しています。有利なカウントであれば三振を狙いにいっていますし、そのなかで狙い通り三振を奪れているので、これまではうまくいっているかなと思います。ストレートやフォークを投げた際のデータも溜まってきたので、それを上手に活用して、もっとうまく、もっとスムーズに三振を奪えるようになれたらいいなと思います」