二軍では別格の存在を放つ堂林翔太。昨季、キャリアハイの打撃成績を残したが、今季は打率が1割台に低迷。出場機会が減ったことで6月下旬に二軍降格となった。降格してすぐに由宇球場では、東出輝裕二軍打撃コーチと打撃練習に取り組む堂林の姿があった。実戦感覚を取り戻してきた後半戦(7月20日)から調子を上げ結果を残すと、8月20日に一軍再昇格。逆境に陥っても大好きな野球に対して真摯に向き合い、決して諦めない背番号7の声を届ける。

由宇球場で打撃練習に取り組む堂林翔太選手(左)と東出輝裕二軍打撃コーチ

◆ここにいるべきではない背番号7の決意

─二軍に合流してから1カ月半経ちました。打撃で改善できた部分について教えてください。

「やっと試合の中で自分のスイングができてきた感覚があるので、良い方向に向かっているんだろうと思います。打席の中で、球を見すぎてしまい、バットが出ないときは状態が悪いときです。今は、思い切って打ちにいき、しっかりとスイングができているので、ようやく投手と勝負できるところまできたのかなと思っています」

─数字でも結果が出ています。

「結果が残るのは良いことですが、アウトになっても打席の内容が良くなってきているので、これを続けていかないといけません。コーチから見た印象と自分の感覚を合わせながら調整しています」

─6月の一軍の試合で打席に立ったのはわずか5回でした。その影響はありましたか?

「それはありません。バッティングの波は誰にでもあるので、その波をどれだけ少なくするかが大事になってきます。開幕から試合に出させてもらいながら、そこで打てなかった自分が悪いですし、だからこそ今二軍にいます。ここでもう一度、自分の打撃を見つめ直そうと思い練習を重ねています」

─由宇球場での経験は堂林選手にどんな影響を与えていますか?

「カープに入団して今年で12年目ですが、僕はどちらかというと、一軍よりも由宇での時間のほうが長い選手です。今ももちろん悔しい気持ちで一杯ですが、若い頃も一軍に上がれない悔しさを忘れることなくプレーしてきました。この場所があるからこそ、今の自分があるのは間違いないですし、一方で、由宇は〝いるべき場所ではない〟とも思っています。一日も早く一軍に上がれるように、悔しさを忘れることなく日々を過ごしたいと思います。とにかく結果を出し続けるしかありません」