カープの未来を担う若手選手の声をお届けする秘蔵インタビュー。今回、編集部がセレクトしたのは、9月4日のソフトバンク戦(由宇・二軍)でサヨナラタイムリーを放った木下元秀。2021年の春季キャンプ中に行った独占インタビューをもとに、支配下登録登録を目指して鍛錬を続けている、育成2年目の木下の言葉をお届けする。
(広島アスリートマガジン2021年3月号で行ったインタビューをもとに編集)

長打力が魅力の育成2年目・木下元秀選手。

◆コーチのアドバイスで伸びた飛距離

—ウエスタン・リーグで4番も務めた昨季を、どのように捉えていますか?

「トータルで考えたら、まだまだですね。シーズン後半に納得できる長打も出始めましたけど、狙った球に対して捉える率が低すぎたので、そこが最大の課題です」

—東出輝裕打撃コーチからは、どのような指導を受けているのでしょうか?

「細かいところというよりは、打球をより遠くに飛ばす、強く振るという簡単な言葉なんですけど、そのへんの言葉は自分が一番理解しやすかったところです。技術的なことで言うと体重移動ですね。タイミングの取り方だったり体重移動のやり方が自分の中にはなかったので、そういう部分を改善して球に対して強くバットを叩きつけることによって飛距離が10~15メートル伸びました」

—高校時代からスイングや構えなどに変化を加えているのでしょうか?

「まるっきり変えたというのはないですけど、球を捉えるポイントやヘッドの位置は変えています。木製の場合はバットが折れたり、内野の頭も超えにくいので」

—昨季、自分自身で納得できた打席や本塁打はありましたか?

「3本目のホームランですね。由宇で牧(丈一郎・阪神)さんからインコースの球を打ったんですけど、スムーズな体重移動でインハイを上手くさばけました。ただインコースは高校とは全然レベルが違うので、そこは今でも苦手です」

—インコース攻めでバッティングが崩れることもありますか?

「崩れます。それに僕はまだ崩れたときに、すぐ基本に戻れないんです。東出コーチや森笠(繁)コーチに『基本をつくれ』とよく言われています。崩れても、すぐに戻って来れるような基本をつくれと」